Menu items:

HOME

このサイトについて

歴史的背景

音楽ビジネスモデルについて

音楽の構造的部分について

ラジオ局Links

お勧めCD等(SmoothJazz)

お勧めCD等(Contemporary)

お勧めCD(Vocal)

Kanzen Smooth Jazz

インタビュー

ライブレポート

CD販売

サイト管理者との関連Links

リンクガイドライン

サイト管理者紹介


音楽ビジネスモデルについて

このページの内容は2009年9月に誕生した新しい内閣より以前の内容です.
内閣府知的財産戦略本部は、2009年6月末で閉鎖されました. 新しい内閣で政策などが出てきましたら再び更新を行います
(2009/09/16)


著作権ビジネスと、その問題について

この「音楽ビジネスモデルについて」という提案型ページを開設して 1年ほど経過(2002年6月時点)しましたが、ここで提案しているような事例 が実際に成功例として出てきています. 特に、日本のCD制作会社でも、インディーズと呼ばれる、アーティスト自身 が自分専用の音楽制作会社を開設し、原盤権などもすべてそちらでの所有 として、従来の大手CD制作会社やCD量販店が、 宣伝とディストリビューションを行い、それぞれで大きな利益が上がってきている ようです.(100万枚以上売り上げも出ている)
プロの音楽制作会社の方々から反響もいただき、実際に実践に移されている方々が 出てきていることを嬉しく思います.

(2004年12月31日)
この「音楽ビジネスモデル」のページは、2004年12月31日をもって、 1.から 9.の内容をフリーズいたします.この内容は、2001年時点に 提起された内容で、その後 日本政府の「知的財産戦略」等に採用され、 多くの進展(信託業法改正法案成立など)を見せています. 従いまして、2001年時点での「知的財産戦略本部」設立前の「記録として」 ここに残しておきます.(付録 A1.以降は必要に応じて更新します )
今後は、新たな視点からの「進展する音楽ビジネスモデル」として、別途掲載を していきます.

多くの、関係者様のご尽力に感謝いたします.(今後、このビジネスモデルの筆者 は、これら進展に伴う音楽ビジネス上の利益を得られる立場であると思っております)

(2004年5月、追記)
「知的財産戦略本部」 「利権保護基盤の強化に関する専門調査会」
「模倣品・海賊版対策に関する意見募集」に、
筆者がこの「音楽ビジネスモデル」に記載している内容の一部が
パブリックコメント(音楽の盗作問題)として採用されています.

(2003年10月、追記)
参考:2003年現在、日本政府の 「知的財産戦略本部」 の、 「コンテンツ専門調査会」での論議内容は、当サイトのこのページ「音楽ビジネスモデルについて」 で取り上げている内容によく似ています. 「音楽ビジネスモデルについて」は、初版は、2001年6月で、明らかにこのページの 内容の一般公開の方が、政府の「知的財産戦略本部」設置時期よりずっと早い時期でした. このページの内容が、政府政策に反映していることは、筆者は光栄に思います.

ご興味のある方は、特に、 「コンテンツ専門調査会(第1回)議事次第」 等を参考にされて、意見送付をされることをおすすめします. 政府政策が、単なる人気取りではなく、具体的な法律改正や日本の業界再編に つながるよう、期待しております.


1.はじめに

TOP
このサイト立ち上げから、1年以上が経過(このページを書き始めた時期)しましたが、 アクセスも40000を超え、多くの音楽ファンの皆様に加え、音楽業界のプロの方々 のアクセス割合がたいへん多いサイトとなりました.もともと、このサイトを作り始めた 理由は、私(サイト管理者)が他のミュージシャンの方などといろいろ意見交換やこちらの 指向を個別に相手に伝える手間を省くためだったのですが、多くの方々からの反響もあり、 一般の方々の目に触れるような「公共性」のあるコンテンツへと改良を加え、現在に至って います.
おがけで「YAHOO 注目サイト」、各種メディアなどにも取り上げられ、知名度が増す 一方、内容拡充の責任を感じています.これからも、暖かく見守っていただきたいのと 同時に、プロの方々で、ここで扱っている分野の音楽を制作されたり、番組などで ご利用になられる機会があれば、ぜひ積極的にご採用いたたきたいと思います. 近年「癒し系音楽ブーム」「40歳代から後半の熟年者向け音楽ブーム」などと 相まって、このサイトも「癒し系」として紹介/リンクされているものもあります. くれぐれもご理解いただきたいのは、このサイトはそのような分野に特化している サイトではありません.コンテンツに対する正しい認識をしていただけるようお願い いたします. そのような状況の中で、皆様のご参考になるように、ここの音楽ジャンルに特化した 「音楽ビジネスモデル」についてお話したいと思います.

2.「反応のある人」のところへ音楽を的確に届けるために

TOP
ビジネスモデルというからには、商業的な利益を追求することが目的となります. これは、音楽を供給する側だけの利益だけではなく、リスナーである消費者側の 利益も同時に考えないとビジネスモデルにはなりません.ジャズは、難しい音楽で なかなか商業的に成功しにくいと思われる方が多いと思います.これは「ある側面において事実」 です.ところが、ケニー・G(注1参照)や、エンヤ(注2参照) などは5000万枚ものCD売り上げを記録しています.また、このサイトで、 SmoothJazz とVocal として紹介しているものは、10万枚から100万枚ほどの 売り上げを記録しています.これらは、日本のJ-POPのカテゴリの売り上げとほぼ同じ か、1桁大きい売り上げにもなっています. なぜアメリカのジャズは商業的にも成功しているのでしょうか?
答えは比較的簡単なところにあります.それは、「音楽制作者が、 作り出そうとしている音楽が、消費者側で、どのように聞かれ楽しまれているのか を正確に把握しているから」です. 本当のプロというのは、絶対に「賭け」をやりません.最終的な結果まですべて 計算ずくで仕事をするものです. では正確に把握するとはどのようなことかというと、対象となる音楽の様式 が正確に認知できて、音楽のどのような部分が意味を持っているのかがわかる ことを意味します. このサイトの他のページにも書きましたが、「音楽というものは、記憶の型式」 と言って、人間には「言語」として認知され「意味ネットワーク」というものを形成 しています.例えば、「英語のわからない人に英語で話しかけても会話は できません」という意味をお考えいただけると理解しやすいはずです.
このサイトにリンクが張ってありますが、TBSの「地雷ゼロ」 キャンペーンの曲を坂本龍一さんが作られていたときの様子がテレビで放映 されていました.そのとき、坂本龍一さんが、自宅のパソコンで作ってきた リズムパターンを現地アフリカの人に聞いてもらって、セッションしようと 思ったそうですが、そのときなぜか反応が全くありませんでした.それで、 彼ら自身がふだん楽しんでいる音楽のリズムを聞いたとき、全く意図していなかった ようなパターンだったのです.このような「反応が無い」という状態が、 「記憶の型式が異なるため、(言語的に)認知されていない」状態なのです.

音楽が売れない原因のほとんどが、「反応が無い」人のところへ、その様式 の音楽を持って行こうとしている場合でしょう. よく「音楽がわかる」などと言うことがあります.これは、例えば絶対音感 がある人が、演奏されている音を聞いて音程やリズムが「人間音叉」のように 聞かれている状態を意味しません.音を物理現象として正確に認知しているのは 「意味論的」に「音楽がわかる」とは言わないからです. この「音楽の、記憶の型式/意味論」というのは、結局、民族問題やゲノムと 関連があり、人間が生まれてから後天的に身に付くものではないようです. (一言で言えば、種族が違うからだ、ということになってしまいますが)

アメリカ合衆国で発展したジャズは、もともと多民族国家という背景から 生まれてきた音楽なので、当然ジャズそのものの中でも、他の音楽では考えられない ほど多様な様式を持っていて、それらは、決してなくなることはなく、 それぞれ続いています.アメリカの場合、ラジオやCDなど音楽流通メディア が非常に細かく分類され、多様性が保証されています.ですので、比較的簡単 に、「反応のある人」のところへ音楽を的確に届けることができます.

注1:あの前衛ジャズをやっていたスタン・ケントン楽団のメンバーがその後、 音楽を教えはじめ、彼らから音楽理論などを習得していて、 長時間のアドリブ能力がある

注2:ジャズの中のニューエイジとして扱われている.たった2人か3人で 多重録音により作られている.ピアノでも平均律ではない音律を利用 しているため、美しいモーダルハーモニーにもなっている

3.グローバルビジネスモデルと構造改革の必要性

TOP
ジャズはアメリカで発展したとは言え、アメリカでもそれほど多くの人が 積極的に聞いている音楽でもないのです.ジャズは結局どこの国に行っても 多数派になっているところはありませんが、逆に世界の至る所の国々に ファンがいること、さらに、彼らは比較的社会的地位の高い人々であることが 多く、ジャズが世界中で発展している理由にもなっています. ですから、ある1国でのCD売り上げは、それほど多くなくても、全世界的 な規模でビジネスを考えたとき、他のジャンルより桁の多い売り上げがある 根拠にもなります.エンヤが4500万枚ものCDを売っているのも、 このような背景があります.

このように、「ジャズは、グローバルビジネスモデルでのみ成功するモデルである」 と言えます.近年、日本の構造不況と閉鎖体質を改革するため、日本政府は 経済のグローバル化を推進しています.このサイトのジャンルはその方針と 一致することになります.
しかしながら、日本では最近まで、マスコミなどを含め音楽業界は「寡占状態」が 長く続いていて、この産業こそ「構造改革」が必要な分野であると思います.

「寡占状態」とは、どのようにして生まれてくるのでしょうか? このサイトの「歴史的背景」のページでもお話しましたが、20世紀以降は、 音楽が、放送やレコード/CDなどのメディアに乗って聴き手に届く時代になりました. しかし、放送を行っている人々やレコード/CDを制作して流通させている人々は、 はたして音楽家自身でしょうか?比較的最近まで、音楽家と直接関係ない人々によって 音楽が企画され制作されていた時代が長く続き、現在も行われています. (音楽家と直接関係ない人たちが、道楽でお金を出して、音楽制作会社を作ったり しているものなどが多い..) これら、グローバルビジネスモデルを実現するには、 音楽家自身が自分の意志で制作したものが、「寡占状態」ではない多様なチャネル を持った流通形態での流通が必要になります.確かにインターネットの普及で可能には なってきていますが、近年のITバブル崩壊のように、従来の放送メディアが インターネットに変わっただけで、同じように「寡占状態」であるのなら、 何も変わったことにはならないはずです.

4.利益(お金)を生み出すもの、それは「著作権」

TOP
「著作権」という概念が現れてきたのは19世紀末で、現在100年以上経過しています. (著作権に関する詳しい情報は、 社団法人著作権情報センター をご覧ください) 19世紀以前は、音楽を演奏したり聴いたりするには、実際の演奏家である人間が 演奏している場所に行って聴くことしかできませんでした.そのため、音楽家は 演奏するという労働に対して報酬を得ることしかできず、貴族や一部の裕福な階層が 音楽家を専属的に雇い入れていたため、このような時代に「著作権」という概念は 存在しませんでした.これは音楽に限らず、複製芸術という「同じ物を大量生産し 流通させる」ことができなかった時代には必要のない考え方です.
20世紀になり、音楽が映画やラジオで、実際に音楽を作り出した作曲家や演奏家 の手から放れ「再利用」されるようになり、それらの行為に対して正当な利益を ミュージシャンの側に還元できるようにしたシステムが「音楽著作権」と言われます.
「音楽著作権」には、

1.作曲された時点で作曲者に帰属する「楽曲の著作権」 (歌詞や編曲もそれぞれ著作権が発生するが、編曲は含まない場合が多い)

2.「1.の著作物」を「演奏する」「録音する」など、実演家が他人の 著作物を使って演奏した場合、その演奏者に与えられるものを「著作隣接権」 と呼んでいます.さらに、その演奏を録音しCDなどとして商品にした 場合、も制作者に対して「著作隣接権」が発生します.

本来、音楽は演奏したらその場から消えてしまうのですが、「音を固定する」 と専門用語で言い、1.の状態で、作曲という行為が楽譜(MIDIデータもこれに含む) として「固定」され、著作物と見なされるようになります.
さらに、2.の状態でそれが演奏され、CDという商品になり「著作隣接権」 が発生することになります.

もし1人の音楽家で、これらすべてのことができれば、その人に対して 最大の著作物に基づく収入が入ることになります.事実アーティストで 所得番付に上がってくるような人は、彼ら自身がすべてを行っている ため可能になるのです.しかしながら、20世紀の100年間、 1.の作曲行為や演奏行為は、個人のレベルで行えるものですが、 2.の「隣接権」を発生させる商品の生産過程は、比較的最近まで 経費がかかるため、大きな会社でないと制作することが難しかったのですが、 1980年代の後半から90年代にかけて、最終的なCD商品に仕上げる まで、コンピュータ音楽制作技術の発達とそれにかかる機材の経費などが 極端に安くなり、音楽家個人のレベルで出来てしまう時代になっています. 従って21世紀の現在、「音楽著作権」は「隣接権」をも含め、すべて 音楽家自身が管理できる時代になっています.では、以前まで レコードやCDなど音楽著作物を制作し、隣接権によって利益を得ていた 会社はと言うと、最近それらの多くの世の中の変革に追随できない会社は どんどん廃業に追い込まれている昨今です.そのような中、一部の生き残っている 会社は、自社で音楽制作物を制作するのではなく「外部の音楽家がすべて 製品まで作ったもの」を流通/宣伝するための専門会社へと変貌し 新たな成功につながるようになっています.

このサイトの「ライブレポート」のページをご覧いただいてお気づきと 思いますが、サンフランシスコのSmooth Jazz FM局 KKSF がスポンサーと なって、同地で入場料を全く取らないフリーのライブが定期的に開催 されています.通常、音楽家がライブなどを行ってお客を入れる場合、 ライブハウスやコンサートホールなどの催事業者が、入場料を取って その収益を音楽家に還元して利益を得ています.
しかしながら、この方法というのは、19世紀までの、音楽家が一部の 貴族などに雇われ、音楽を演奏するという「労働」に対して代価が発生 しているもので.ここで述べている、著作権という無形資産を運用する ことで、マスマーケットから利益を得る、20世紀以降の新しい市場経済 での方法論ではありません.
ある種の音楽が、本当にユーザとしての聴き手が必要としているものなら、 その音楽家の著作物としての音楽CDが購入されるべきであり、あるいは、 その音楽家の曲をラジオ/テレビなどで、第三者が演奏したり、 の音楽家のCDに収録された曲が番組やCMなどで利用され、使用料が版権者に 支払われるスタイルがとられるべきなのです.
このような、市場経済型での音楽ビジネスは、 「誰かの管理下で(誰かのために)音楽家を、演奏という労働から解放し、 著作権という無形資産を運用することで、その利益から新たな音楽創造への 投資ができる」という、新しい音楽ビジネスの形態に、音楽家を導くことになります.

フリーライブという形態は、音楽の聴き手である「著作物のユーザ」を その音楽へ誘導するという宣伝効果があり、そのライブの後、音楽家の直筆サイン をしてもらったCDをその場で購入して帰るという、大変有効な マーケティングの方法となります.ライブの会場でCDを買って帰った人は、 その音楽が本当に気に入った人であり、その後は、その人は引き続き その音楽家のCDを購入してくれるユーザになってくれるのです.
このような方式は、ちょうど、コンピュータソフトウェア産業が、 ビジネスショーなどで、人を無料で招へいし、著作物であるソフトウェア のユーザ開拓をする方法と全く同じです.

注3:2002年現在、KKSFの親会社にあたる Clear Channel Communications は、コンピュータ産業などへの投資でよく知られた J.P. Morgan & Chase などが経営などの指導していて、このような「著作権消費誘導型」のビジネスモデル を実践している.

最近のテレビ/ラジオのコマーシャルには、「イメージソング」と呼ばれる、 すでに誰かの音楽家のCDにある曲をCMに利用する、というスタイルが取られ、 CMのためだけに、コマーシャルソングを制作するということが、あまりされなく なっている.これは、経費節減の問題もあるが、コマーシャルだけのための 芸能人に不必要な経費をかけない、という「芸能界の構造改革」でもある.

5.初めから、グローバル(マス)マーケットを対象にする

TOP
従来型である、録音媒体が、 音楽の演奏を単に記録し流通させるだけのための録音メディアだった時代には、 最初はその音楽家の活動テリトリ−の範囲内で販売され、徐々に拡大していく というスタイルでしたが、ここで扱う音楽ビジネスモデルは、ダイレクトに 世界に点在する音楽ファンに確実に的確な音楽を届けるという目的から、 レコード会社というものの役目は、音楽そのものを企画制作するという業務から、 流通専門の会社へと、その役割を変える必要があります.現在、このサイトで 紹介しているような分野の音楽CDを販売しているような会社は、 自分では企画制作は一切やらず、外部のミュージシャン自身が持っている 音楽制作会社(ほとんど個人レベルであることが多い)が制作した「音楽ソフト」 を世界規模で流通させる業務のみを行っています.
ミュージシャン自身が自分で制作会社を立ち上げる場合、 これには大きな資本は要らないため、制作される「音楽ソフト」にはミュージシャン の個性と意志がダイレクトに反映できます.
一方、音楽メディア流通会社の側としては、それらの個性あふれる「音楽ソフト」 が、いったいどのような音楽ファンに好まれるのか、正確に認識している必要があり、 これらを正確に把握し正しいアプローチをしている会社が大きな利益を出しています. まさしく「反応のある人に音楽を届ける」とはこのことを意味します. これらの実現のため、市場を正確に知った、 特定の会社に属さないフリープロデューサが必要とされ、 アメリカではこれがあたりまえの時代になっています.
また、マスマーケットにおける「個人」を直接対象にしているので、 複数の国に流通拠点のある多国籍企業で巨大であるほど影響力は強くなります.
しかしながら、流通そのものは特定の音楽ジャンルを既定するわけではないので、 専門性の高い音楽も均等に流通できる形態が実現でき.特定の音楽ジャンルに偏向したり することなく、「寡占制メディア」ではなくなることになります.
(参考:アメリカのパソコンソフトメーカが80年代から現在にかけて、世界を制覇 できたのも、「はじめからマス・マーケットを対象にした販売方式」をとっていたからです.)

6.アメリカ、WarnerBros. の例について

TOP
グローバル音楽マーケットで活躍している会社の1つに、アメリカの Warner Bros. があります. Warner Bros. は、ポーランド移民の2人のユダヤ人兄弟が興した会社です. いわゆる「ユダヤ系」と呼ばれる音楽制作会社などは他にもありますが、 この Warner Bros. だけは他とは大きく異なる点があります. ポーランド移民ということで、第二次大戦中、ナチの迫害を最も大きく受けた 人々で、彼ら以外にも音楽家としてアメリカ合衆国へ亡命してきて、 立場的にマイノリティーとして音楽活動をしていた人々が、彼らの仲間にも たくさんいました.当時は、まだ人種差別が アメリカにもあった時代で、そのようなマイノリティーの音楽でさえも リリースしていた会社でした.
ジャズ専門の Atlantic というレーベルがWarner 配下にあり、 チックコリアが最初に Inner Space というアルバムを出したのも この Atlantic というレーベルです.チックコリアは当時、プエルトリコ系であり、 アメリカでの社会的地位は決して高くはなかったはずですが、彼の高い音楽性 を Warner は見抜き、その後たくさんのリリースをしています.
チックコリア以外でも、このサイトで紹介しているような有能な音楽家の作品を多く リリースし、なおかつ多くのグラミー賞作品も送り出しています.
1990年代に入り、インターネットの普及などと共に、アメリカのグローバル ビジネス戦略が進み、コンピューター産業、通信産業などと、従来の映画や音楽制作会社 放送局などが強力な資本提携を進め、90年代後半に、 Warner Brothers は、AOL、CNNなど、IT産業の資本下に統合され、 Time Warner グループという世界の巨大企業へと変貌しました.
Time Warner配下にあるCNNは、みなさんもうご存じのように、90年代の 初めに、当時CBSやABCなど「寡占型ユダヤ系メディア」が多かったアメリカで ケーブルテレビの回線を使った全国放送で一躍トップに躍り出て来た会社で、 湾岸戦争当時、「寡占型メディア」があまり放送しなかったアラブの本来の 姿を伝えた有力な放送局です.CNNは、もともとテッドターナーという人が 始めた会社で、ターナー氏がアメリカの共和党員であったことから、 湾岸戦争当時、アメリカは共和党政権であったため、湾岸戦争の中継を 独占的に行うことができたと言われています. これらの理由から、Time Warner グループという巨大メディア産業は、 「アメリカ共和党系のメディアである」と言うことができます.
(Time Warner は、ニューヨークのロックフェラーセンターにオフィスを構えています)
アメリカの放送メディアは「ユダヤ系」が多い、などとよく言われますが、これは Time Warner の例でおわかりのように、間違いです. アメリカは、共和党と民主党という2大政党がありますが、これのもともとの 意味となぜ2大政党なのか、おわかりでしょうか?アメリカは1776年に、初代 大統領のジョージ・ワシントンによりイギリスより独立を勝ち取りました.共和党は このジョージ・ワシントンをルーツとする「アメリカ本来のリベラリストの集まり」 なのです.一方民主党は、後になってアメリカへ移住してきた人々の複数の民族 の集まりの党と言われ、いわゆる「ユダヤ系」メディアは民主党メディアである 場合が多いのです.一見して共和党は白人主導の党、民主党が他民族でリベラルな 党のように見えるのですが、アメリカが独立してから今日までの流れをよく調べて みると、これは全く逆であることがよくわかります.
ここのサイトで扱っている音楽には、ユダヤ人が多くかかわっていることは 他のページでもお話しました.しかしながら「ユダヤ系」という概念が「一枚板ではない」 ことを、みなさんはご存じでしょうか?

ユダヤを理解する、推奨サイト

上記のページで「ユダヤ系」の意味がご理解いただけた、と解釈し、 Warner Brothers と現在の Time Warner を考えた場合、まずWarner Brothers を設立した人はポーランド移民のアシュケナージで、通常なら民主党側につく 場合が多いが、(キッシンジャー氏のよう)に共和党と結びついて発展しました. さらにCNNが共和党メディアであったので、Time Warner グループは、 グループ全体として共和党側メディア産業として現在発展しています.
さらに従来メディアのNBCも共和党メディアであるため、NBCのケーブルネット である CNBC もグループ企業となっています.
(Brian Culbertson などシカゴ出身の Smooth Jazzアーティストを飛行機の機内音楽 として起用している United Airlines もシカゴを本社とする共和党系 航空会社である.United の機内では NBC のニュースが中継されている)
更に、Time Warner グループのイギリス拠点として EMI を買収し、傘下に 加えることとなった. この理由により、日本の東芝EMIも Time Warner グループになったのである.
ジャズとは直接関係ありませんが、この東芝EMIのTime Warner 合併で、 日本の音楽界に異変が起きたのです.それは、宇多田ヒカル、鬼束ちひろ、の 何百万枚にもわたるCD売り上げ達成です.彼女たちは、Time Warner 合併後に デビューして成功したのです.従来型の日本の寡占型音楽産業では、彼女たち のようなユニークな音楽はおそらくデビューさせてはくれなかったでしょう. しかし、グローバルマーケットを最初から対象とし、「反応のある人に音楽を届ける」 という方式で、従来の方式ではなしえなかった大量のセールスを記録しています. これこそ、グローバルマーケットに基づく音楽ビジネスの成功例であり、 Time Warner のビジネスモデルがそれを可能にしました.

(2003/11/28 重要加筆)
上記の文面は、このページ「音楽ビジネスモデル」を最初に記述した
2001年当時から見た文面でしたが、その後、ITバブル崩壊など AOL の不正経理などにより、 Time Warner グループもうまく機能しなくなりました.
2003年11月25日付、正式発表で、Warner の音楽部門が、ブロンフマングループの 仏ビべンディ・ユニバーサルに売却されることに決まりました. http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031125-00000012-dwj-biz (YahooNewsは、期間が過ぎると、リンク切れになります)
目的は、AOLによる負債を、音楽部門売却益により、TimeWarner グループとしての 株主還元のようです.
実体としては、WarnerBros. の音楽部門が「元のさやに収まった」と言えるでしょう. ブロンフマン・グループは、ペプシコーラやユニバーサル・スタジオをも傘下に持つ 巨大グループで、特に、共和党系のNBCがハリウッドで映画製作会社を持つ ことにもなりましたので、今後が期待されます.
ある意味で、日本の有能なミュージシャンや映画/アニメなどが、アメリカ進出 できる機会が増えると考えられます. 一方、日本のワーナー・ジャパンは、AOL 100%出資の会社でしたので、 今回の再編により、日本のワーナーも大きく変革される可能性があります. 2003/11/05 の、 Brian Culbertson のインタビュー にもあるように、彼のような有能な音楽家が、日本に紹介されずにいたものが 今後、大きく変わる可能性もあります.
今回の WarnerBros.の件は、筆者にとって歓迎されることです.

7.J-POPとSmooth Jazzの接点

TOP
この文書が書かれている2001年時点で、ジャズという音楽の様式は 非常に多岐にわたっている.それは、発生以来、いろいろな民族が時代とともに 影響され反発され、それぞれ独自の発展をしてきたからで、ある様式が 確立されると、それは淘汰されることなく「それはそれ」として現在 まで生き続けている.そのため、日本において「自称ジャズファン」という人 に、ここで扱っているような、Smooth Jazz などを「目隠し」で聴かせて みると、誰も「ジャズだとは思わない」場合が多い.(たまたま、それの ファンである場合を除いて..)
しかしながら欧米では、ジャズのCDの売り上げトップに位置している ほどファンが多い.むしろ、楽しんで聴いている人は、それがジャズで あるのかどうかはどうでも良い場合が多い.(もちろんこれが理想であるから) 私、何度か、「普段あまりジャズを聴いていない人に、それとなく、 大変良質で、コンテンポラリージャズのスタイルの音の使い方(メロディー やハーモニーの使い方)をしたSoomth Jazzを、それとなく、聴かせて、 反応を見る..」という実験をしたことがある.
面白いことに、「自称ジャズファン」という人たちよりも、普段ジャズ をあまり聴かないような人たちから、「たいへん美しい音楽だ」 「こんな素敵な音楽があるのですね」などと、嬉しい反応をいただく ことがある.「反応のある」人は、Smooth Jazz を作り出した側が 意図した「音楽に意味がある部分」が「一致」している場合で、 そうでない場合、彼らにとって「ジャズに聞こえてこない」 のは、「音楽に意味のある部分」が異なるからである. 日本では「4ビートジャズ」「16ビートジャズ」など、欧米では全く 使われていない「日本独特の造語」があるが、もしこれらによって 彼らが聞き分けしているのなら、意味不明な結果になることになる. これは、彼らを非難しているわけではなく、彼らは「音楽にとって異なる 意味」を言語にしているので、音楽家が意図したものと異なる側面 を聴いているだけなのである.

では、反応があった人が興味を持った Smooth Jazz は、というと、 ほとんどの場合、

「日本語の歌詞をつけられるようなメロディーを持ったSmooth Jazz」

である.
アメリカでジャズの中でも、とりわけSmooth Jazzに人気があるのは、 「メロディーがわかりやすく、覚えられる」からなのである. それに重要なのは「メロディーをわかりやすくすることは、 3コードの童謡のような音楽にせよ、と言っているのではなく、 Smooth Jazzが「あくまでジャズである」と言われ、 このサイトのあちこちで述べているように、ジャズのハーモニー理論 に基づく(印象派以降の音の使い方)ハーモニーを必ず使いつつ、 「わかりやすく、覚えやすい」親しみのあるメロディーのテーマと アドリブソロが展開されている音楽だからである. (親しみやすい、覚えやすい、ポップスはたくさんある. しかし、上の「後者の方」を満たしていないのである.
一部の音楽振興会などをはじめとする、素人向けの音楽教室や、 音楽学校などでは、ほとんど扱われていない場合が多いので 、それらの出身のミュージシャンは、この分野で活躍している人は あまり見かけないし、条件を満たす音楽にあまりお目にかかったことは無い)
これらを考慮に入れて、
「日本語の歌詞をつけられるようなメロディーを持ったSmooth Jazz」
を、私なりに選別してみた.

-----------------------------------------------------
   曲目          オリジナル  CD           
-----------------------------------------------------
1. Mind Game          Bob James  ,Playin'  Hooky   
2. It's so Good       Boney James,Seet Thing         
3. Perfect Moment     Peter White,Perfect Moment   
4. Smooth Sensation   Ken Navarro,Smooth Sensation   
5. Baby Steps         Peter White,Glow               
6. G-Bop              Kenny G    ,Breathless         
7. Chasing the Dawn   Peter White,Glow               
8. Sapphire           Najee      ,Morning Tenderness 
9. Morning            Kenny G    ,Breathless         
10.Innocence          Boney James,Sweet Thing        
11 Morning tenderness Najee      ,Morning Tenderness 
12 End of the Night   Kenny G    ,Breathless         

(上記はあくまで「私なりの一例」であって、他に優れた作品/アーティスト があります.)

8.投資家のみなさまへ.

TOP

「音楽ビジネスモデル」の提案、ということで、ここで扱っている音楽ジャンル のバックグラウンドと可能性について述べてきました.
音楽ビジネスとして根付かせるために、以下のような提案をしたいと思います.

  • スムースジャズは、グローバル経済下において「売れる」ジャンルである. 日本経済が構造改革により、種々の規制撤廃や外国企業の進出により、 このジャンルが急速に広まる可能性が高い.

  • 2001年現在、日本の構造不況下においても、アメリカ系の巨大なテーマパーク の進出や、AEONのように良好な経営の大規模ショッピングモールで成功をしている 企業体がある.彼らは、電車よりも自動車優位のアメリカ経営方式を採用しており、 それらが日本において、他の方式よりも優れ、受け入れられて成功し、 正当性を実証している.そのような環境の中で、この「音楽ビジネスモデル」 が活かされる可能性は十分高い.

  • 構造改革で日本の音楽業界にも「音楽業界破壊」を起こさせる:
    日本でスムースジャズは、ミュージシャン側からの「売り手市場」である. なぜなら、聴きたいと思っているリスナーの総数より、作曲/編曲/演奏を 高いレベルでこなせる音楽家の数の方が日本では少ないからである. これは、日本の音楽業界とマスコミが、ある特定の学閥や音楽教育振興団体などの 出身者だけで構成され、いわゆる「寡占状態」を作ってきた. 彼らは音楽に対し目先の利益しか考えておらず、 このサイトで扱っているような、洗練され、かつ高度なテクニックの音楽を 作り演奏できる、本当の意味のプロがいない. 「音楽業界破壊」により、海外から自由に外資系音楽制作会社やミュージシャン が日本に進出できれば、自然と優れた質の高い音楽が日本にも広まるようになる. これは、宇多田ヒカルさんの成功などで、既に実証済みである. (彼女は、日本の寡占型芸能プロダクションや著作権団体に全く属していない. 本当に個人の能力で成功している)

  • 松居慶子さん(注4)の逆を実践せよ:
    彼女は、アメリカで大成功された音楽家ですが、彼女が音楽活動をされたころ、 彼女の音楽は、1985年当時の日本ではなかかな受け入れられにくい、 ということで、ご主人とともにアメリカ進出をされ、現地で成功された 方です.いわゆる「アメリカへの出稼ぎによって成功した」のですが、 この「逆」とは、スムースジャズを好むような欧米の方々を、逆に日本へ どんどん呼び込む工夫を考えてみては..というものです.
    アメリカの南カリフォルニアにサンディエゴという、たいへん治安が良くて 美しい町があります.ここがアメリカでも1,2のスムースジャズのメッカ になっています.このサイトの Radio Linksで紹介している、KIFM や、 http://www.jazztrax.com/ "JazzTrax" がある地域で、この地域は、モンタレーと並んでアメリカで比較的裕福な層 がリタイヤした後、余生を過ごす場所にもなっています. また、近くにロサンゼルスがありディズニーランドやユニバーサルスタジオ 、同地にはシャチのショーでお馴染みのシーワールドがあります. このサンディエゴのような、欧米人が長期休暇で滞在できるような 場所を日本各地に作って、海外からの客を誘致することも考える必要 があります. このような地域で、この「音楽ビジネスモデル」が威力を発揮します. 日本は、海外旅行に出かける人の人口は多いですが、 逆に海外から日本に観光で訪れる人の数は、まだ多くはありません. 日本にディズニーやユニバーサルスタジオがオープンしたのは、何も 日本人のためだけではないのです.近隣の国々から日本へ観光に来て くれる人も考慮されています. このような環境が整備されれば、海外の音楽家を招へいして音楽のライブや 地上波ラジオ放送など、投資家のみなさまも利益を期待できるものと思われます.
    (このサイト管理者は三重県在住です.三重県の鳥羽市は、 アメリカのサンディエゴと姉妹都市提携をしています. しかしながら、相互交流の話など聞いたことがありません. せっかくある、姉妹都市を機能させ、サンディエゴのシーワールド でも当地に誘致して、他のテーマパークが成功しているように、 海外からの長期滞在観光客の誘致をしてはいかがでしょう. さらに、志摩にあるKDDIの海外直結の強力なインターネットの 回線を利用してデジタル放送も可能になります)

    注4:松居慶子さんは、アメリカで大成功されたスムースジャズの方で、 このサイトでも取り上げたいのですが、音楽のスタイルが、 ここで扱っている「コンテンポラリージャズの手法」ではないので、 誤解をまねかないように、わざと取り上げないようにしています. (エンヤなども同じ)
    古典的手法のスムースジャズやニューエイジ というページも、用意して紹介することも考えています.

9.日本政府の「観光事業推進政策」との関連

TOP

2003年現在、日本政府は観光事業を産業再生の1つに上げようとしています.

2003年5月末に開催される、Smooth Jazz Night Live も、 主催者の、ワイワイプロモーションはホテル経営が主な事業であり、 本件と関わりがあるものと判断し、このサイト筆者としてのコメント を記載します.

音楽ビジネスに関わる音楽家などが住んでいる地域は、必ずしも観光地に近い ということではなく、その国(ここではアメリカを主に例とする) で、その時代に主流派となっている産業に従事する人が多く生活し ビジネス拠点となったところへ、音楽家も仕事を求めて移動を繰り返している ことがわかります.アメリカの歴史で、ジャズ発祥とされるニューオリンズ から、北上しセントルイスへ、さらにシカゴ、ニューヨークと、 ミュージシャンが仕事を求めて移動をしてきましたが、これがそのまま アメリカでの産業構造の歴史的な変化に対応していると思われます.

ロサンゼルスに映画産業ハリウッドが出来て、映画産業、音楽産業の本拠地が ロサンゼルスになり、音楽家がこの地へ多く移ってきたのと同時に、 音楽が録音メディアによって広まるようになり、そのインフラを支える 電気メーカなどの本社機能もこの地へ移ってくるようになりました. これが第二次大戦後のことで、多くの日本企業(電気、通信、自動車など)もこの地 に事業所を持つようになっています.(ソニーは、サンディエゴに米国ソニーの 本社があります)

観光産業のカテゴリに入るものは、ホテルなどの宿泊施設、遊園地などの アミューズメントパーク、歴史的な名所の観光などがありますが、これらの 中で、最も収益が上がるものは、やはりビジネスマンが頻繁に使用する ホテル、飛行機などの交通機関からの収益であり、一般個人の観光目的だけのホテル 宿泊や航空券の購入の産業全体での比率はあまり大きくはなく非常に不安定です. 企業が使う出張経費は、個人旅行費用の比ではありませんし、 年間あたりの回数も断然多いです.この傾向は、アメリカでは特に顕著です. (SouthWest Airlines が収益を上げているのもこのため)

ハリウッドの映画産業、テレビや音楽のメディア産業のインフラを支える ハイテク産業は、同時に最先端科学技術であり、軍事技術でもあります. コンピュータや通信機は、歴史的には最初に軍事技術として開発され、 その後、半導体など、部品の大量生産による価格低下で、民生用に移行させること に成功し、それが今日、私たちが音楽をCDやインターネット配信などで 聴くことを可能にしています.

これらのハイテク産業は、アメリカの存亡にかかわるほど重要な産業である ため、アメリカの国防戦略の一環として、アメリカ国内でも地政学的に 安全な場所で研究開発などが行われ、それらの会社の研究所や本社は、 アメリカ合衆国の西海岸に集中するようになりました.カリフォルニア州は 軍事的にアメリカの敵にあたる国が周囲に全くありません.そのため、 カリフォルニア州には、アメリカ国内外から優秀な人々が集まるようになり、 今日の産業と文化を形成しています. また、Lori Andrews が出演した映画の、監督までやっていたクリントイーストウッド が、カーメル市の市長になっている、などジャズファンの著名人が このカリフォルニアに永住するようになっています. 特に、1980年代以降の共和党レーガン政権になってから、この傾向が顕著 で、日米間の航空機の国際線の乗客は、いわゆる観光客ではなく、仕事で 業務として日米間を頻繁に行き来するエンジニアばかりになりました.

その後、1980年代後半から1990年代の民主党クリントン政権下では、 アメリカへ海外からの投資を呼び込みの目的で、金融関係と商社関係の人 の行き来が多くなりましたが、これもバブルの崩壊と2000年からの ブッシュ共和党政権への復帰で、再び日米間の人の行き来はエンジニアの 比率が大きくなっています.21世紀に入り、再び実物経済の時代になった と言えます.

日本政府が提案している観光産業再建の、実体としての理由は、既存観光産業 での雇用確保など、一種の公共事業的性格しかありません.観光産業は それ自体はインフラであり手段でしかありません.目的の方は何なのか、 市場で必要とされているのは何で、観光産業の構造をどのように変えなければ いけないのかが明確にされていないと思われます. そのため、道路公団問題のように、不必要な「箱物投資」により、誰も使わない 設備ばかりが地方に増えてしまったのです.

これは、市場の必要性を決定しているのは常に人の方で、人間が日米間を 頻繁に行き来しなければいけない理由は何なのかを明確にすることで 有る程度、答えが出せます.

日本に海外から人やお金(投資)を呼び込むための一環として観光産業を考える 場合、観光目的の客を第一に考えても高い収益の産業に再生することは難しい でしょう.
有能な人材や日本からの投資資金が、アメリカに流出してしまったのは、 才能ある人間が日本には、それを活かす会社や市場が無いこと、 種々の制約で、本来ならそれら有能な人材によって日本の国益になるはず のことが、アメリカ合衆国の社会システムで実現してしまっているからです. (筆者は過去20年間に、これらを自ら経験している)

日本の観光産業が潤うためには、日本にやってくる外国人が観光目的ではなく、 仕事で繰り返し訪れるような状況にしないといけません.奈良や京都、富士山が 見たい、などの理由で観光に来る外国人は、一度見たらそれで終わりです. 仕事で来日する場合は、繰り返される場合が多く、永続性があり、それが 観光産業の永続性へとつながります.

このような状況が、少しずつですが改善しているものもあります.

現在、欧米資本で日本に投資だけしたいと思っている人々はほとんどありませんが、 「直接投資」による、100%外資系企業が日本に会社を登記し、ビジネス展開 をするケースは、今後増える可能性はあるでしょう.

その1つが、ディズニーによる日本での放送事業などです. 小泉政権になってからの規制緩和の1つに、放送事業が外国資本による直接投資に 解放されるようになりました.この規制緩和の第一号として、 ディズニーチャンネルが、100%アメリカ資本として、2003年秋から 放送を開始します.

この例のように、欧米からの日本への直接投資により、日本にビジネスマンが 業務として頻繁に訪れるようになれば、必然的にホテルなどの宿泊施設が 必要になり、観光産業が潤うようになります. 公共事業のばらまきで、地方の財政を破綻させるのではなく、日本への外資の 直接投資が東京以外の地方にも広がれば、観光産業にも利益が広まることになります.

そうなれば、アメリカにしか無かった、スムースジャズの専門FM放送も 日本に必要になりますね.ミュージシャンを招へいしてのライブ開催もです.

逆に、今まで日本であまり成功しなかったミュージシャンも成功する機会が 多くなる可能性もありますし、アメリカ進出の機会も訪れます. 2003年、「千と千尋の神隠し」がアメリカでアカデミー賞を受賞し、 ディズニーを通じてアメリカ放映がされましたが、 筆者が想像することは、おそらく日本の放送事業に外資直接投資の制度が 認可されたことにより、ディズニーは日本で新たな利益を得られる代わりに、 「千と千尋の神隠し」にアカデミー賞を与えたのではないか、ということも 考えられます.


著作権ビジネスと、その問題について

A1.ブランケット方式は、もう必要無い時代

TOP
このサイトの推薦ミュージシャン、Lori Andrews, Bart Samolis, Gregg Karukas は、作曲した楽曲管理のため、BMIかASCAPのメンバになっています. しかしながら、最近は彼らを含め、メンバでありながら自分の曲の管理委託を BMI,ASCAPのような団体に委託しなくなりつつあります. 曲の管理委託をしてしまうと、曲の作者なのに自分の曲を収録したCDの 曲をサイトで試聴させたり自由にできなくなってしまう、など、 いろいろ制約がついてしまうからです.このような状況で、 音楽著作権管理団体への楽曲の信託について、考えてみたいと思います.

音楽著作権は、最終的には、その作者に帰属し、作者本人が使用料を 受け取る権利があります.これは、著作権の一番基になっている ベルヌ条約を批准している国では、これに沿って制定された各国の著作権法 により規程されているためです. ところが著作権者は個人以外に、音楽出版社など法人も、著作物の 版権所有者になることができます. 近年、ASCAP,BMI,JASRACなど、音楽家が個人としてメンバになる以外に、 音楽出版社が法人としてメンバになっています. 法人メンバは、音楽レーベルの会社、放送局などのマスコミ、 アーティストマネージメント会社、音楽書籍出版社などがこれに相当します. 日本でリリースされているポップスのCDなどの大半に JASRAC マークが付いて いるのは、CDをリリースしているレコード会社自身がRIAJのメンバであると 同時にJASRACメンバにもなっているためです.

それらのレコード会社から出ているCDのアーティストがJASRACメンバ になっているケースと、ノンメンバであるケースがありますが、 最近、曲を自分で作曲しているアーティストが、 本人をJASRACメンバにさせず、音楽出版社とだけ契約をさせ、アーティスト の楽曲の版権をJASRACメンバの出版社に帰属させられてしまっている場合、 末端での楽曲の使用料が、作曲者本人に全く支払われないという大きな 問題が発生しています.これらの問題は、JASRACのみならず、アメリカのASCAP メンバの間でも起こっています.また、ASCAP,JASRACのメンバであっても 放送での楽曲使用料のブランケットによる支払いの場合、メンバに使用料 が払われないとという問題が発生しています.

このような問題が、アーティストの間で近年深刻化しているため、 アーティストの多くが、著作物の版権使用料管理を自分で行うようになって きています.

このサイトの、(株)カンゼン 音楽事業部 スムースジャズシリーズCD に収録されている曲のほとんどは、ASCAP,BMI に委託されていない楽曲であり、 なおかつ(株)カンゼン音楽事業部は、JASRAC,RIAJ のメンバにはなっていません. そのため、このサイトからリリースCDの音楽をみなさんに自由に試聴し 楽しんで、購入していただけるというサービスが音楽著作権団体が規程した ネット配信などに関する制約無しにできるのです. もちろんアーティスト本人は、試聴できることを喜んでいます.

ブランケット方式による楽曲使用料徴収という方法は、音楽がラジオ放送など で使用された場合、その使用料を著作権者に直接支払うのではなく、ASCAP, BMI, JASRAC などの著作権管理団体が、その団体のメンバーの使用料を代行して 徴収する場合に、楽曲個別に放送局に使用料を請求するのではなく、放送局 の放送規模や収入などにより、あらかじめ年間使用料を割り振って徴収する 方式です.

このブランケット方式は、もともとラジオ局の数が多く、放送で音楽が使用 されることが多いアメリカ合衆国で採用されていました.日本では1970年代 の後半あたりから、JASRACも採用するようになっています. ブランケット方式が考え出されたのは、あくまで放送局側の著作権料支払いにあたって 事務手続きの簡略化のために行われ、楽曲1つ1つの1回の使用料は 少額であるため、それを個別に著作権者に支払っていたら、そのための管理 経費の方が大きくなってしまうためです.
ところが1990年代以降、ASCAP,BMI,JASRAC などの管理団体に属している 音楽家が、自分の楽曲の管理をASCAP,JASRAC,BMIなどに委託した曲の 放送での使用料が、音楽家に支払われないという問題が多く発生するように なりました.これは、日本のJASRACメンバだけではなく、アメリカのASCAPなど のメンバの間にも発生している問題なのです.

このような不払いの問題が多発したため、ASCAPやJASRACのメンバでありながら、 自分の楽曲を、あえてその管理団体に管理委託をさせない音楽家が最近多く なっています.(米国では、楽曲の信託/無信託を音楽家の方が、 曲に応じて選ぶことができるが、JASRACは最近まで、メンバの楽曲は すべて信託扱いにさせていたが、現在はJASRACメンバも信託/無信託を 曲によって選ぶことが可能)たとえば、管理団体に委託した方がメリットが あるものはコマーシャルの曲や、他人に演奏してもらう曲の場合です. 無信託の方が音楽家にとってメリットがあるのは、音楽家自身しか演奏しない オリジナル曲などの場合で、特にジャズの場合、オリジナル曲はほとんど 自分で演奏するからです.委託してメリットがあるものは、 歌手と作曲家が別で、作曲された曲が不特定多数の人に演奏使用される場合 で、シンガー・ソング・ライターのような場合、委託のメリットは ほとんど無いと言って良いでしょう.

一方で、90年代のインターネットの発達と今後のデジタル放送の普及に 伴い、放送で使用した、曲が具体的に何人のリスナーに、放送時に聴かれた のか、インターネットやデジタル信号の放送の場合はアクセスログ等で、 正確な数値を記録することが可能で、一方、少額の使用料決済であっても、 近年発達している電子マネーによる電子決済で、ほとんど人間の手 を介することなく、個別の著作権使用料徴収が技術的に可能な時代に入っています.

ブランケット方式という考え方は、このような技術が全く確立していなかった一般の AM,FMアナログ放送など、送り手が正確に何人のリスナーが、その放送を今聴いているか の数値を取得することができない旧システムの上で考えられたもので、 もはや、放送の新システムではブランケット方式は音楽家に害悪をもたらす 以外、利益はない徴収方式になっています.

現在、問題になっている内容は、

1.
日本、アメリカともに、一部の放送局は、楽曲の信託/無信託を調べずに、 無信託楽曲を、ブランケット枠に入れて、ブランケット支払いのみしか 行っていない場合がある.無信託楽曲は、ブランケット枠に入れてはいけない. 無信託楽曲は、使用者は著作権者に個別に使用許諾を得る必要がある.

悪質な例は、放送で曲名やアーティスト名を全く伝えず、BGM(音効)として 使用した場合などに、この楽曲の使用料を踏み倒す例.

2.
日本のJASRACは、ASCAPと相互に徴収提携をしているため、ASCAP管理楽曲を 日本国内で使用した場合、JASRACへのブランケット枠へ入れることができる. BMI管理楽曲は、JASRACと相互条約が無く、BMI楽曲の多くは、日本の音楽出版社 などが、BMIへの支払い代行をしている場合が多い.この日本の音楽出版社 がJASRACメンバの場合は、JASRACへのブランケット枠として支払われた BMI楽曲の使用料を、その日本の音楽出版社が、アメリカのBMIへ支払っていない 場合.

3.
日本のJASRACのメンバとなっている音楽出版社の多くは、JASRAC,BMI,ASCAPなど のノンメンバの楽曲のサブパブリッシャーとなっているケースが(最近多い) あり、ノンメンバは日本国内のアーティストに限らず海外のアーティスト も含まれていて、ノンメンバの楽曲であるにも関わらず、ブランケット枠として JASRACに支払われた使用料が、JASRACメンバの音楽出版社から、アーティスト へ支払われないケース. これは、アメリカでのASCAPメンバの音楽出版社でも発生している.

これらの問題から、日米とも(特にアメリカで顕著)ASCAP,BMIなどのメンバには なっているが、自分の楽曲をASCAP,BMIに全く預けず、自分で独自に管理するように なってきています.

一方アメリカでは、ジャンル専門ラジオ局が多く普及しており、それらの局では、 アーティストの名前、曲名などを必ず放送でアナウンスし、アーティストと彼ら の曲の宣伝効果を出しています.(Clear Channel のネットラジオのシステム は、今オンエアしている曲名とアーティスト名をWeb上にリアルタイム表示している) このような、アーティスト自身にとってメリットのある音楽ジャンル専門局を アーティスト自身が積極的に利用するようになっています.

日本でも、このサイトで紹介している、銀座の RADIO CITY は、アメリカの Smooth Jazz に関しては、アメリカと直接契約して 放送で楽曲使用をしている、とのことです.(JASRACへのブランケット枠には入れていない)

今後、日本でも RADIO CITY のような配慮をする局が増えることを期待しています.
(実際問題、ノンメンバの曲を使用していて、ブランケットに含めることは 著作権法違反となります)

A2.オーディション詐欺に注意

TOP
ポップスなどの世界に、自分で作詞作曲などをするシンガー・ソング・ライターや 自分のオリジナル曲を演奏するバンドなどが盛んになる1970年代以前には あまり問題にならなかったが、1980年以降に新たな問題として出てきています. これは、オリジナル作品の曲などをデモテープとして受け取った側が、 オーディションに受かりませんでした、などと作者に回答しておきながら、 その作品の音楽内容を盗み、さも自分の作品であるかのように盗用して 自分の作品にしてしまうという盗作行為です.

このようなことが横行しているのも、それほど作曲や自分のオリジナルを作り出せる 能力も無いような音楽家、あるいは、世の中であまり必要とされていないような 音楽しかできないような、音楽ビジネスとして本来の才能により人気のある 作品を作り出せないような人々が、音楽業界のプロとして活動しているケースが たくさんあります.彼らは、自分に才能が無いのに、盗作などの行為で 有名になってしまったような人々で、その地位を維持するために、新たな盗作行為 をしなければならない状況に追い込まれています.

手口としては、
1.オーディション方式で、未発表のオリジナル曲のデモテープ/CD/MDなど を送って下さい.
2.音楽教室などで、信用のおけない音楽教師が、生徒に作品を作らせ、 その作品に先生としてクレームをつけておきながら、実は先生本人の 作品、あるいは作曲ノウハウとして、先生が生徒から盗む.

などの詐欺行為です.

これらの行為が、法律的に保護されにくいのは、作者の側の作品が未発表であり、 著作権法上、盗作の事実を証明できない場合が多いからです.

このサイト筆者も曲作りなどが出来ます.オリジナルの曲もすでにいくつか 保有しています.しかしながら、信用のおけない人には、一切筆者のデモ作品 として提供したりしていません.
(株)カンゼン スムースジャズシリーズ、などのように、商品として固定された 音楽CDになっていないような場合、著作権法によるの保護の適応が難しい 場合が多くあります.ですので、このサイトの読者の方々で、音楽のオリジナル作品 や演奏を、デモCDとして送付するような場合、相手の信用調査をしてからに すべきです.
このサイト筆者は、オリジナル作品のデモ交換などは、信頼のおける知人との 間(サイト筆者関連リンクの方々、(株)カンゼン、Gregg Karukas, Lori Andrews など、信頼関係のある音楽家など)、でしか行っておりません.
(直接お会いしたことの無い方へ、このサイト筆者が音楽デモをお送りすることは ございません.)

ご参考までに、 鬼束ちひろ は、オリジナル曲を作曲していますが、 東芝EMIでのデビュー前オーディションの時は、自作曲ではなく、 既存の曲の歌唱により、オーディションを受けました. これは、この東芝EMIのオーディションが信頼のおけるものであることを 証明しています.シンガーソングライター募集などのような場合、 未発表オリジナル曲のみのデモを要求してくるケースが多いですが、 主催者側の意図を良く調査すべきです.

最近の音楽業界のCD売り上げ低下や、音楽教室産業などでの生徒不足で、 その主催者が不正を行うケースが横行していますので、ご注意ください.

A3.文化庁の経済産業省への管轄移転を強く要望する

TOP
政府の「知的財産戦略」への、1つの提案として、
文化庁を文部科学省から経済産業省の管轄へ移転をすることを強く要望する.

日本は、知的財産であるところの著作権などの法律はかなり以前から整備され、 ベルヌ条約加盟は、第二次大戦前に既に加盟国となっていました. ところが、これらはもともと海外からの圧力により政府官僚が国内での市場と 需要とは無関係に海外からの圧力回避のために制定してきたものです.

第二次大戦前当時は、経済産業省は存在せず、知的財産を扱うということで 文化庁が文部省の管轄として機能してきましたが、日本における知的財産である 映画/音楽などの著作物や工業特許を、「商業的利益を得るための財産」として 活用させるためには、著作権法などを管理する国の機関としての文化庁が 文部科学省の管轄であることは大きな問題となります. 文部科学省は教育研究を扱う省庁ですが、教育や研究という行為の成果物に より商業的利益を得るためのノウハウを扱う所ではありません.

経済産業省(旧通産省)は、第二次大戦後に、アメリカの商務省に似せて 作られた省庁で、もともと経済産業省が出来た当初から、日本の政府機関でも 最も親米な機関でした.戦後、日本の経済復興のために経済産業省が 扱ってきた産業は、製造業から1980年以降は金融関係にも広がって きましたが、あくまで「有体物資産」が対象でした. しかしながら、日本の新たな商業戦略として知的財産戦略を進めるのなら、 文化庁も経済産業省の管轄へ移転させる必要があります. 工業特許などは、これまでも経済産業省の管轄でしたが、音楽や映画など を楽しむメディアは、DVDやテレビ、通信技術などにより利用されますので、 コンテンツビジネスである映画/音楽などとハイテクを統合した 新たな戦略のためには、著作権法を扱う文化庁が経済産業省に含まれる ことは極めて重要なことです.

無形物である音楽など著作物の資産価値をどのように算定するか、という ノウハウを、日本は今まであまり重視してきませんでした. 製造業などは設備投資が必要であるため、金融機関などが行う、 不動産などの設備資産の算定方法は確立していますが、 たとえば、音楽ポールなどを地域振興のために公共投資で作ったとします. この場合、今まで金融機関がこれら不動産の価値を算出する場合、 「もし壊れてしまった場合、完全に元に戻すには、いくらお金がかかるか」 という点にしか考慮していませんでした.

地方復興のために、税金を投入して高価な音楽ホールを作ったが、 そのホールでの収益が全く上がっていない.田舎なのでアマチュアしか 音楽のためにそのホールを使用しないので、いわゆる 「著作物の使用料による収益」が全く考慮されずに、公共投資がされ 赤字経営となっているものです. 「著作物の使用料による収益」を得られるのは、絶対に音楽のプロでしか ありえません.さらに重要なことは、プロの音楽家の演奏であっても、 著作権が消滅してしまった昔のクラシック音楽の曲の演奏には、著作権料 の支払いが発生しません.従って、「著作権料の取れる音楽の振興」を 推進しないと、商業戦略として知的財産戦略には繋がらないことにもなります.

日本はこれまでは、著作権法を「著作物を保護する」目的でしか運用して きませんでしたが、著作物による商業的利益を追求するのなら、 文化庁と経済産業省の統合は不可欠です.

音楽ホールなどを公共投資で作るのなら、同時に、その設備による 「著作物使用による収益」を考慮に入れた資産価値算定とビジネスモデル が必要になります.

A4.コンテンツ流通促進シンポジウム(2004年6月28日)の内容紹介

TOP

日本政府の 「知的財産戦略本部」 「コンテンツ専門調査会」 の関連している、文化庁主催「著作物流通・契約システムに関する研究会」による 「コンテンツ流通促進シンポジウム」が2004年6月28日に、東京で開催され、筆者も 会場に行ってきましたので、その内容を一部ご紹介いたします.

まず、「知的財産戦略本部」は経産省が中心になって進められていますが、 このシンポジウムが「著作物」が対象となっているため、文化庁主催にて開催されました.
この研究会は、 UFJ総合研究所 により進められ、シンポジウムでは、

  • 国家戦略としてのコンテンツビジネスの振興
  • コンテンツ政策の歩み
  • e-JapanII加速化パッケージ
  • コンテンツ専門調査会報告書
  • 知的財産推進計画2004
  • コンテンツの創造、保護および活用の促進に関する法律
  • 今後の政府の取組み
について、ご担当者からの報告と講演がありました.

筆者の関連ビジネスと関係がありそうな分野は、音楽や映画の日本からの 輸出振興と、海外のからの日本への直接投資促進に関係した欧米などの 音楽や映画などの、国内整備(観光政策との関連もある)などです.

日本のアニメなどが、フランスなどで人気が出ている一方、日本の アニメ制作者へのロイアルティー(著作権料)支払いの改善と、 日本の開発者環境の改善など、いままで映画製作会社中心だったものが、 個人への利益配分について考慮されるようになっていることは評価できます.

一方で、音楽家や映画俳優など「生身の人間」が直接関わっている コンテンツビジネスの国際化に関しての論議がほとんどされていません.
これは、日本の音楽業界などが、今までは日本国内ビジネスとして特化 された保護政策をとられてきたため、いわゆる裏社会とタレントなどの関わり など「今後最も改善する必要がある分野である」はずなのです.

背景としては、芸能産業はこれまでは「商売人の道楽産業」として 伸びてきたケース (企業のCMにそれらのタレントを起用して多額の経費を投入するなど) が多いのです. 近年、不良債権をかかえて倒産したりしている企業の資金の流れを調べてみると、 裏社会資金などと関係のある企業や経営者がたくさんあることがわかってきます.
これらの産業を、コンテンツの新規ビジネス「国際化政策」として振興させた としても、それらからの利益が裏社会に流れては何の意味もありません.
日本のアニメやゲーム産業の国際化が比較的成功してきたのは、 アニメやゲームなどは、「生身の人間」という「タレント」などが直接 表面には出ず、コンピュータグラフィックスなどが使われているため、 いわゆる「芸能産業の裏社会癒着」と直接的な関わりを持ってこなかったため、 この分野が成功していると思われます.

しかしながら、本当の意味でのコンテンツビジネスの成功と国際化は、 「芸能産業の裏社会癒着」と直接的な関わりを持たないアーティストの 成功事例を、今後たくさん生み出すような政策だと思われます.
日本への欧米資本の直接投資をこの分野に向けることは、 「芸能産業の裏社会癒着」をなくす有効な手段になります.
また、企業がコンテンツビジネスで得られた利益を、どのようにして 次の企画制作に「再投資」するかを監視する機構も必要になります.

A5.信託業法改正による映画・音楽などへの波及とデジタル家電の有効活用

TOP

信託業法が改正され、映画・音楽などのコンテンツ産業への融資が可能になります. 日本の音楽産業と音楽家/クリエイターへの影響を列挙します.

本法改正により、音楽自体の市場原理により、 日本で制作される音楽も、従来あまり扱われてこなかった音楽ジャンル などとともに、市場とユーザを明確にすることで、今後は制作できるようになります.

従来型のメジャーレーベルが扱わなかったジャンルは、インディーズ レーベルで作られていた、というものが今後はメジャーレーベル市場 で扱われる可能性が多くなります.
 (反面、リストラ対象になるものも出てきます)

本法改正前、金融機関は融資の対象に対して「有体物担保」を要求していました. 「映画や音楽を作りたいので金融機関から融資を受けたい」 という要求があっても、金融機関はこれらに対して融資をしてきませんでした. そのため、音楽や映画のプロダクションは「企業タイアップ」という方法で テレビCMや番組主題歌などスポンサー企業宣伝のための予算を使って、 音楽などを供給してきましたが、
本法改正により、コンテンツ産業に直接融資が可能になるため、 今後は「企業タイアップによる予算取り」が必要なくなります. 映画や音楽音楽それ自体の市場価値で、制作者や投資家は収益を得られるように なるため、コンテンツ産業のそれ自体の質向上にもつながります. 裏社会などの資金が、プロダクションなどに流れ込むことを防止することにもなります.

テレビCM/番組/催事などの「スポンサータイアップによる音楽制作の予算取り」 が盛んになった背景は、1980年代から始まった日本の、 バブル景気により、企業が余剰資金を芸能人などを使った宣伝に 使い始めたためで、芸能プロダクションや広告会社が采配を揮うようになり、 音楽家や従来のレコード会社の意図が音楽文化に反映しなくなった時期が 続いていました.しかしながら、これも1990年代終わりのバブル崩壊後、 終焉することになりました.
(スポンサータイアップは企業だけではなく、自民党橋本派内閣時代までは、 政府資金(税金)が公共事業(外務省ODAなど)の資金が、 芸術振興・海外交流という名目で使われたものもあります)
その後、2001年以降の小泉内閣(改革勢力)に変わってから、 レコード会社の再編などに至っています.

アメリカでは、音楽が「企業タイアップ」で制作されることはまずありません. これは、
「企業タイアップをすると音楽家のイメージダウンに繋がる」、
「CM(ジングル)のための音楽を制作している組織は、一般の音楽家とは全く 別に職業として存在している」
ためです.

今回の信託業法改正により、音楽ジャンルによって欧米外資が入りやすく なりましたので、Smooth Jazz などの欧米マーケットに有利な音楽も日本で 作りやすくなります.

さらに、今まで行われていた「芸能プロダクション主導型の企業タイアップ」 では「タレントが音楽まで行い、各種興行(催事/ライブ)によるギャラの収入」 を当て込んでいたため、音楽CDという「著作物」の方が軽視されていました.

一方、アニメなどはコンピュータグラフィックスで制作されるため、 「タレント/役者」を全く必要としません.
(声優のみ必要で、今の日本では声優さんの世界には裏社会は入り込んでいない)

Smooth Jazz も同様に、有能なごくわずかのミュージシャンにより コンピュータの「打ち込み」を多用して、
「著作物としての音楽CDの方を先に作る」ため、 ライブ演奏などの「興行」を重視していません.
(フリーライブは「ライブでお金を取らない」ため、 「裏社会からの資金が入りやすく裏社会へ利益が流れやすい興行」 にお金が流れない.)

アニメやSmooth Jazz という著作物は「コンテンツソフトウェア」と解釈でき、 それらを再生させるAVが必ず必要になります.
従って、 信託業法改正により、「コンテンツソフトウェア」への投資が進み、 良質なソフトウェアが市場に流通し売り上げが増えれば、 日本が得意としている、デジタル家電などのハードウェア市場も活性化できます.

(タレント/芸能人を必要としないため、彼らが集中している東京で 制作作業をする必要がなくなる.日本の地方都市で欧米など海外との利便性の良い 地域
(名古屋などの東海地方(自動車産業の中心でアメリカと最も繋がりがある)、 関西(中国)、福岡(韓国))などでも発展させることができる)

(今後の課題:日本には、「音楽ジャンル専門放送」が無い. 衛星放送による「音楽チャネル」はあるが、「放送事業そのものがアメリカ のように自由化されていない」、ため、事実上「無い」に等しい. 外資が放送事業に参入できるようにすれば、日本にも「Smooth Jazz専門FM」 が出来る.インターネットラジオで直接アメリカのラジオが聴けるが、 自動車などのラジオで、まだネットラジオが実現していない)

(2007/08/27 追記)
音楽ファンドなど、本制度が可能になってから3年ほどになります.その後の新たな 問題点などを追記しておきます.


コンテンツ産業向けのファンド(証券化)は、制作費用の調達には確かに有利ですが、 結果として出資者に投資収益を還元する義務を負うことになります. 実際に投資効果があるのは、比較的大きな費用をかけて制作される映画などで、 制作後、短期間で収益が上げられる場合にのみ、ファンドとしての収益率が上がります. そのためハリウッド映画などで盛んに利用されてきました.
一方、音楽は近年コンピュータの利用が進み制作コストが極端に下がっているため、 音楽CDなどの原盤制作はほとんどミュージシャン個人で行える時代になりました. Smooth Jazz はこの方法を極限にまで利用しています.さらに、良質な音楽は リリース直後にだけ大きな売り上げがあるのではなく、5年10年あるいは20年 30年経っても少量ながら売れ続けます.

このような理由から、もしアーティストが優秀で、かなりの過程を自分一人でできる のなら、
「原盤制作のための音楽ファンドは必要ないはずである」こと、 「音楽CDなど知財は、その収益を当事者が次の制作費用にまわすという知的創造サイクル に充てられるべきで、投資家にリターンを返すべきでない」こと (著作権ホルダーの会社は音楽家自身の会社であるべきで、その会社は株式公開してはいけない)、 「収益が10年を超えるような長期にわたって上がるような場合、さらに投資家に還元しにくくなる」 (収益はキャッシュフロー型になるため、投資還元のための余剰資金が出にくい) などの理由が考えられます.

日本の場合一般にファンドを利用する会社がアーティスト自身のレーベル会社でない 場合、制作費と呼ばれている経費の中には宣伝費用などが含まれた形になっている 場合が多いのです.(ファンドではなく放送番組の制作経費やCM経費を流用しているケースが多い)
この宣伝費(PR費用など)をかけて行っていることが実体として ユーザ相を取り込めなくなっていることが最も問題なのです.
音楽ファンドが制作費の証券化ではなく、宣伝費を証券化させているケースがあるので要注意です. 著作物は制作後に収益を得られる資産になるが、宣伝費は単なる経費ですから 投資後のリターンが得られるはずがないのです.

アメリカの場合、上にも書きましたように、音楽ジャンル専門放送 の制度などのように、PRを効果的にするためのマーケットセクタの絞り込み が、今後日本でも必要になります.
(純粋にCDなど販売可能な著作物に仕上げるための経費と、 そのコンテンツ製品のPR費用とは分けて考える必要があります. 日本では後者の改革(放送などの)がまだ手つかずで、日本のコンテンツ産業は PRのためのシステムの改革の方が、経費捻出よりもはるかに重要なのです)

A6.「知的財産戦略本部、知的財産推進計画2005」について

TOP

2005年6月10日、政府の知的財産戦略本部、
知的財産推進計画2005 が確定されました.
今回は、小泉首相以下、内閣が郵政問題に手を取られていて、知的財産推進計画2005の 審議にはあまり時間が掛けられなかったことと、特許関連の審議が中心で、 コンテンツビジネス関連についてはあまり進展が無かったことです.
「知的財産推進計画2005」で、音楽/映画産業としてのコンテンツビジネス関連に ついては、以下の検討課題(2005年6月現在の未解決問題)が残っています.
昨年、信託業法が改正されたため、コンテンツ制作にかかわる資金確保の問題は ほぼクリアされていますが、音楽家などの著作権者が実際に正当な支払いを受けて はじめて利益となり、著作権者としての利益が資金となり新たな投資へと 向かわせることになります.
現状での未解決問題は、 音楽の楽曲の著作権料支払い が、日本の放送などで音楽が使用された場合の使用料が直接著作権者に払われず JASRACのブランケット(包括方式)を経由してのみ放送事業者が決済しているため、 一部の音楽家に不利益が発生していること.さらに、これらの理由から、 日本とアメリカ共に、音楽家がJASRAC/ASCAPなどから決済せず、直接 音楽配信会社 と契約して音楽配信やネット放送などに提供を始めていて、 地上波一般放送事業者側から見ると、今までJASRAC決済のみで決済出来ていたものが、 決済先が多様化したため対応が遅れていること.
これらが原因で、iPod (iTMS)などの携帯音楽プレーヤと音楽配信事業、および 日本でのインターネット放送での音楽配信と、その楽曲の利権者の利益回収方法 に問題が生じていて、事業展開が遅れてしまっていること. などです.

解決策としては、アメリカのBMIがかなり以前から提供している、 インターネットによる放送などでの楽曲利用の決済を直接決済を 日本のユーザや日本の放送事業者からも直接可能にすること.
(JASRAC会員のサブ・パブリッシャを一切経由せずに直接決済可能にする) などが必要になります.
「対日直接投資に関する法令」に基づき、米国の著作権管理団体の日本法人を 日本に設立させ、日本で発生した米国への著作権支払いをJASRAC等の サブパブリッシャを一切経ないで直接決済する.
米国進出したい日本の音楽家は、JASRAC会員にならず、米国著作権団体の 日本法人の会員になることにより、アメリカで発生した日本国籍の音楽家へのアメリカ から日本への支払いには、米国本国での決済されたものが 日本法人の会員の音楽家への直接支払いがされる.
などのメリットがあります.
(これらがどれだけ早期に実現されるかが問題)
「知的財産推進計画2005」で関係のある章は、
第4章 コンテンツをいかした文化創造国家への取組
1.業界の近代化・合理化を飛躍的に拡大する
(1)契約慣行の改善や透明化に向けた取組を奨励・支援する
など

A7.「知的財産戦略本部、知的財産推進計画2005」の「観光との連携」についての重要なポイント

TOP

2005年6月10日、政府の知的財産戦略本部、
知的財産推進計画2005 に、
6.ライブエンターティメントを振興する
(3)観光との連携を進める

がありますが、知的財産戦略としてのコンテンツ産業振興と、観光との連携での 「観光」が意味するものは、いわゆる「レジャー産業としての観光振興」を意味していません.
これは、観光地にゴルフ場を作ったりしても、コンテンツ産業の収益にならないこと、 アマチュアの音楽振興が「知財による収益」(キャッシュフロー)を上げることに 繋がらないからです.

「知財による収益」を上げられる2つの例を紹介します.

1.フィルムコミッションなど、観光地で実際の映画製作を行うことにより、 観光地に人(映画ファン)を導入させることで観光業(ホテルや交通)に経済効果 をもたらせると同時に、映画製作という「知財」を作り上げることで、その映画によって コンテンツ産業にも収益をもたらせる、という方法.
これは、ユニバーサルスタジオやディズニーランドのように、映画やアニメの制作現場 のバックステージをファンに見せる場所、という観光施設を作り、その場所への 集客による経済効果によるもの.
(USJの収益が思わしくないのは、ロサンゼルスの本体では実際に映画の撮影がされているが、日本のUSJは、 遊園地/レジャー施設としての機能しか果たしていないため)

2.音楽のライブなどを、ライブを観られる場所として利用するだけではなく、 ライブレコーディングを良いコンディションで行ってDVDなどの「知財」 (著作物コンテンツ)としてリリースさせることで、ライブ会場へのファンの 集客効果と同時に、音楽コンテンツとしてのライブDVD制作をその場で行い、 そのDVDにより、その後永続的に販売されることでコンテンツとしての収益を 事後も得られる、という方法.
(アーティストは、ライブ当日の収益(ギャラ)だけではなく ライブ後も DVD販売による印税収入を得られる)

一般的に観光地は地方都市が多く、コンテンツ制作を観光地で行うことで、 音楽や映画のプロフェッショナルがそれらの地方に常駐することになり、 箱物公共事業で問題になったようなことが解決され、地方都市がレベルアップされ、 収益性を増す.
(ハリウッドがニューヨークに位置せず発展したのはこのため)

A8.「2005年6月29日付け、会社法改正」の「最低資本金制度廃止」の音楽家へのメリットについて

TOP

日本経団連などから提示されていた 「意見書」 による、新会社法が2005年6月29日に成立し、その内容の一部としての 「最低資本金制度廃止」があります.日本では従来から、株式会社は1000万円、有限会社は 300万円の最低資本金が必要とされてきました.しかしながら、産業構造の 変化とともにこの制度が必要とされなくなりました.一方、アメリカ合衆国では 「最低資本金制度」が存在していないため、音楽家などのアーティストが 自分の著作物の著作権管理と著作権使用料回収(印税収入)、あるいは、 自分のCDレーベルとしてのCDリリースのための会社として、 「アーティスト自分一人だけ」の会社を設立し、効率の良いビジネスを行っています.

本法案成立により、日本での影響について列挙します.

1. 音楽家が、既存のプロダクションなどに所属しなくても、自分の会社に自分の 楽曲などを帰属させ、直接著作権収入を得られる. いわゆる JASRAC パブリッシャ−会員の音楽著作権管理会社などに、 アーティストが個人として契約し、その契約会社を経由させる必要がなくなる.
2. 会社設立時に、資本金などの資金を自己資金で調達可能な場合などは問題にならないが、 会社設立時の資金を暴力団など裏社会などに関係した人物から提供 (知らずに手を出してしまっている場合が多い)されている場合、 会社設立後に、売り上げの内の多額を返済要求されたり、 著作物の版権放棄を要求されたりすることがあった.
今後は、自己資金が無くとも会社設立が可能になるため、この問題が無くなる.

3. 上記の関連として、アーティストの「フランチャイズ化」という手法がある.
個々のアーティストの所属する個人会社に資金提供する企業が それらアーティスト個人会社をコングロマリット化させ印税収入などの 吸い上げを行う、という手法.(独立しようとするアーティストに、資金提供や 仕事をまわす代わりに、楽曲の著作権放棄をさせる)
外部資金に頼る必要が無いため、この被害が無くなる.

4. この「最低資本金制度廃止」は、設備投資を必要としない、著作権収入や特許収入 を主体とする「知財産業」に最も有益であるが、本制度は、
「著作物や特許を利用する側の産業のコングロマリット化の解体」とをペアで 実現する必要がある.
(例えば、独立して会社を設立したのは良いが、自分のリリースした音楽が 全国ネットのラジオ放送などで流れなくなった、などの問題 (放送事業の寡占化による、系列企業の音楽のみ流す))

(この点、APPLE iTMS などはこの開始時点から、この問題を解決している)

A9.「放送事業への外資持ち株比率20%未満」の法案可決と、音楽ジャンル専門放送の日本での実現性

TOP

2005年10月18日、日本の放送事業への外資持ち株比率を間接投資も含めて20%未満 に制限する法案が可決しました.(可決前は、直接投資のみ20%制限)
音楽ジャンル専門放送が充実しているアメリカ合衆国などには、既にこの制度があります. 従って外資持ち株比率制限が、アメリカの音楽専門ラジオ局の放送内容を日本でも配信 することを制限することに、直接的なつながりはありません.
むしろ放送事業における「公共性」が、今後日本でどのように解釈されていくのか、 によって、放送事業における「特定の音楽ジャンルのファンのみ」を対象にした 「音楽専門放送」が「公共性を有しているか否か」の判断基準になると思われます.
現在、日本政府はアメリカと同じく「小さい政府」を目視しています. 日本のアニメや映画のコンテンツがアメリカで成功しつつありますが、 日本のコンテンツのアメリカ進出と、アメリカのコンテンツの日本進出との バーター取引を実現するという意味でも、日本とアメリカでの、 「放送事業の公共性に対する解釈の一致」が必要になります.

現状で問題のある具体例で説明すると、
例えば、日本のピアノやギターなどの楽器メーカが、楽器を日本のアマチュアに売る ために、そのメーカの楽器をアメリカのある特定の提携ミュージシャンに使用させ、 日本の音楽雑誌などにそのミュージシャンのコピー譜などを掲載し、 アマチュアの間にミュージシャンのコピーバンドなどを流行らせ、ラジオ放送でも そのミュージシャンのみ紹介するという方法.
これは、コピーバンドには興味の対象ではあるが、一般的な(楽器をやらない)音楽リスナー にとって面白いとは言えない.(興味が無い) (これは、アマチュアに楽器を売るためのレジャー産業振興であり、音楽コンテンツ振興では無い)
一方アメリカ本国では、日本の楽器メーカとは提携していないが有能な音楽家が たくさんいて、日本の音楽リスナーに知られないでいる..という不利益が発生している.

このような状況は、日本のアニメ/映画などがアメリカ進出する場合に、アメリカに 対して逆の事例として発生する場合もあるので、日米とも、その対象コンテンツが 末端のファンにどのように届くべきか、をそれぞれの制作者がコントロールできる 環境が必要であり、今後、コンテンツの日米バーターが進むとすれば、 日本にも必然的にアメリカと同質の放送事業形態が必要になり、それが、日本で 放送における公共性の規範になるべき、と考えられる.

(コンテンツビジネスにおいては、途中に商社などの仲介業者を一切入れるべきではない)

A10.「2005年10月31日、第3次小泉内閣閣僚人事」での竹中総務大臣指名による影響について

TOP

竹中氏は経団連会長の奥田氏と一橋大学の同窓生であり、パーバードビジネススクール 時代に知り合った、ロバート・フェルドマン氏と知人であり、私(サイト筆者)が 現在関係している、ジャズハープのLori Andrews や、筆者の身内でユニバーサルへ移籍した 鬼束ちひろ、このサイトで2003年から紹介しはじめた、歌手の Soweluさんなどの 今後の展開に重要な影響を与える人物です.(奥田氏は会社法改正を提案成立させました)

ロバート・フェルドマン氏は、テレビ東京の番組「ワールドビジネスサテライト」 に時々出演しているのでご存じの方も多いと思いますが、Morgan Stanley の 経営アナリストで、Morgan Stanley はChase Manhattan と1998年に合併し、 ユニバーサルピクチャーズの株主のGEやソニーピクチャーズに出資している会社で もあります.
信託業法改正により、日本でもアニメ/映画/音楽などに信託業として出資が可能になったため、 フェルドマン氏は、同法改正前にはテレビ東京の番組出演時に、
「音楽家は自分一人で何でもやりたがりますから、なかなか投資家が商売にならないのですよ」
と言っていましたが、
同法改正後、
「アンパンマンやドラエモン」などの話題を出すように(反対のことを言い始めた)なりました.

この背景として簡単な理由があります.竹中氏やフェルドマン氏はハーバード出身で このハーバード大学はケインズ経済学派の大学で、長期間にわたり日本から主に政府官僚など の留学生を受け入れてきましたが、1990年代の後半、日米ともにネットバブル崩壊 などを含め、ケインズ理論(官僚主導型の大きい政府主義)が誤りであったことが証明され、 欧米の政府関係者や投資家が、フリードリッヒ・ハイエク(シカゴ大学系)の 「小さい政府主義」へ、政策などを大きく転換しはじめたためです.
ケインズ理論が有効であるのは、物の無いいわゆる発展途上の段階では 効果がありますが、国が発展しインフラなどが出来上がってしまった国(アメリカや日本) などでは、人は生活必需品ではなくコンテンツ産業のような、個人の趣向に応じた物 にお金を使うようになり、それらは人それぞれ異なるので、ケインズ理論のように 人の消費をマクロで扱うことができなくなるためです.
物の無い時代には、石油や鉄など資源投資で利益を得た人が、「余剰金の税金逃れ」 のために、寄付として財団を作り音楽や映画に投資してきましたが、それらの資金によって 育てられた音楽や映画などが、必ずしも個々のファンが必要としている「市場性」の あるコンテンツであるとは限りません.
これは、ケインズ理論では投資と収益の対象がインフラの方であり、 インフラ投資からの余剰収益を音楽/映画などに「経費」として廻していましたが、
コンテンツ産業の方に投資を変更することで、投資家にとって「経費」であった 音楽家などクリエイターに払う著作権使用料は、逆に、投資家にとって、 クリエイター側の「著作権収入」が「収益」に変わることになります.

この立場の逆転が、ロバートフェルドマン氏のテレビ番組での発言が逆転した理由です.

この立場の逆転は、放送での音楽使用料支払いが「ブランケット」(包括契約)方式 として、音楽家に不利な形態であった問題の、問題解決の糸口を与えます.
ケインズ理論に基づき、放送産業などのインフラ側に投資家が投資していた時は、 経費である著作権使用料はブランケットの方が「支払い効率」が良かった、のですが、 クリエイター側に投資しはじめた投資家のコンテンツ産業投資からの収益率アップ (効率追求としての)のためには、「著作権使用料支払いのブランケット」を やめさせる必要がある、ことになります.

日本で、放送法/電波法の管轄は総務省です.竹中総務大臣が、小泉構造改革の最後の仕上げ として、この分野の改革に取り組むかどうか注目する必要があります.

参考:
日本の音楽業界の「亀井派」とは、
音楽制作費用を、企業の広告費(CMなど)に頼っていた人、
文化事業財団など、市場原理に基づかない資金、
楽器メーカ、カラオケ会社など、商売人相手のレジャー産業として音楽を振興してきた企業 と、そのシステムに乗っていた音楽家や出版社、興行者など、

A11.音楽のライブ演奏、ディズニーランド/ユニバーサルスタジオなどは「産業観光」である

TOP
このページの、(9.日本政府の「観光事業推進政策」との関連)への加筆として、 「産業観光」を紹介します.
日本の地方経済活性化を目的として、観光振興を掲げる自治体などが増えていますが、 夕張市の財政破綻などの例のように、「観光事業における収益対象は何なのか」を明確 にしないまま、遊園地や宿泊施設などに投資をして収益を上げられず破綻するケースが 出ています.
これは極めて簡単な理由で、観光事業における収益対象は、ホテルなどの宿泊施設利用料 や飲食料、交通費などは、観光事業としての「経費」であり収益ではないのに、「経費」に あたる「施設」(箱物)だけ用意をしているからです.
人が、どこか別の場所へ出向く必要がある理由は、「その場所にいる人と直接会う必要があるから」 すなわち「観光とは、コミュニケーションが目的」なのです. 映画をDVDなどのコンテンツソフトとして購入して見た人が面白かったと思った場合、 その映画がどのように撮影されたのか見てみたいと興味を抱きます.ユニバーサルスタジオ には、"Back to the future" の撮影現場が見られるようにしてあり、これは、 撮影のバックステージを見せる、映画制作の「産業観光」です. アトランタのCNNや東京のお台場のフジテレビなどは、観光客にスタジオ見学をさせています. これも「産業観光」です.鬼束ちひろの「武道館ライブDVD」は、(本人、休養中にもかかわらず) 完成度が高いDVDで、ファンに売れ続けていて、大型フラットテレビなどデジタル家電の 購買動機にもなっていますが、武道館ライブは 「このDVD制作のためのライブ録画/録音をファンに見せる」 という「産業観光」として機能していました.
反面、夕張市破綻は、メロンがどれだけ優良な食品であったとしても、メロンは 人ではないので、メロンの産地へ行ってコミュニケーションを取る(楽しむ)理由 が見あたらないため、観光産業として成り立たないのです. メロンや松阪牛などの「特産品」という「有体物」で人ではなく物体の方に、人が 価値を認めています.従って、物体を「物流」させればよく、消費者という「人」 が産地に出向く必要が無いので特産品では観光は成り立たないのです. 旭山動物園に人気があるのは、動物とコミュニケーションが楽しめるからです. (檻に入れられた、動物を遠くからしか見られない動物園には観光客は来ない) しかしながら、日本の政府や地方自治体の観光政策担当者や協会/団体は、 国土交通省関連の、宿泊業者や飲食業の業界関係者であるため、本来「収益」を 得るべき立場の人ではなく「経費」にあたる業者団体が観光産業振興を推進 しているため、観光業の収益目的が得られないのです.
映画や音楽を観光産業に利用するには、対象となる観光地が遊園地のような レジャー施設としてではなく、実際に映画/音楽製作会社、放送局などが 設備を持ち、その地域にアーティストが実際に住んで仕事をしている場所 である必要があり、 アメリカで、ニューヨーク以外、 ロサンゼルスとその近郊に映画/音楽制作会社がある、という例のように、 日本の場合も、 東京以外の地域にそれら産業を直接誘致しないと、観光業としても機能しません.

野球やサッカーなどのスポーツエンターティメントの分野では、東京以外に 球団が本拠地を構えてスポーツとしての「産業観光」が成功しています.

(青色発光ダイオードの中村修二さんがいる、サンタバーバラは鳥羽市と 姉妹都市であるのに、先日来日していたマイケルジャクソンが住んでいたことや 女優のサンドラ・ブロックが結婚式を同地で挙げたことを鳥羽市の観光協会 の方々は、知っているのでしょうか?
地方活性化とは、こういう無形資産を活かすことです.)

A12.安倍首相とコンテンツ産業との関係、その影響について

TOP
2006年9月、安倍晋三内閣が発足しましたが、安倍晋三氏と政府の知材本部 コンテンツ専門調査会の牛尾治郎氏は親戚関係にあたります. さらに、牛尾氏のご親戚には、三菱商事の方がおられます.

安倍内閣は表面上、憲法改正や教育改革などを上げていますが、それらの波及効果 として、日本のコンテンツ産業の海外進出にプラスになります.
(第二次大戦後のマッカーサ体制ではアメリカの属国のままであり、属国の文化などに 国際社会は興味を示さないため)
安倍内閣の体制は、三菱商事にとってビジネスがやりやすい体制となります.
同社がこれまで行ってきた、あるいは現在行っている事業などを列挙します.

・槇原稔氏がイギリス生まれということで親米というより親英企業で、 映画や音楽産業に出資しているロスチャイルド系.(槇原氏は、JPモルガン、リップルウッドなどと関係)
・2006年の「東京ジャズ」のスポンサに初めて現れ、Smooth Jazz のDaveKoz が出演するようになった.(NHK前会長の海老沢氏の影響がなくなったため)
・DaveKozRadioShow の番組スポンサは UBS で、三菱商事と提携している.
・2004年までWOWOWに出資.
(アカデミー賞授賞式独占放送.鬼束ちひろの武道館ライブや、最近の Sowelu のライブを中継している)
・日本コカコーラの株主.(鬼束のインソムニアリリース時にコカコーラがスポンサ.)
・UFJ総合研究所がコンテンツ専門調査会に関わっているため、 三菱商事がこの分野に今後進出してくる可能性が高い.

(2007/06/02 追記)
2007年6月現在、安倍晋三内閣は「公務員制度改革法案」を本国会期間中成立を目視しています. この問題は、今後の日本のコンテンツ産業の行方に対し、想像以上の影響があります.
6日2日時点で成立の可否は未定ですので、今後の状況により、この情報を更新します.
「公務員制度改革」がなぜ日本のコンテンツ産業に大きな影響を与えるかの根拠は、 日本のコンテンツ産業(放送、出版、音楽制作会社)の大半は東京に集中しています. これは、それらの会社は日本の郵政(特に放送局)、文部関連の官僚の天下り会社 として作られたものが多く(東京に会社があると天下り後も東京で働けるため)、 放送制作費やCMなどの広告費用を基にプロダクション などのコンテンツ制作会社に下請けとして安い賃金で丸投げしています. 従って、日本のミュージシャンや歌手などの収益ビジネスモデルは制作費を 天下り会社から恵んでもらう「乞食型コンテンツビジネスモデル」なのです.

日本のコンテンツ産業が、国際化が進んだ東海地方のハイテク産業のように 国際化を進める気が本当にあるのなら、公務員制度改革により放送局や音楽出版社 などへの天下りを規制し、アーティストの「乞食型コンテンツビジネスモデル」 を無くす必要があります.このような体制は、戦後、郵政大臣であった田中角栄 が作り上げてきた体制で、小泉首相は米国からの要請で田中派潰しをしてきました が、欧米のコンテンツ産業のオーナは欧州系が大半で、 安倍晋三内閣は欧州系(地球温暖化問題など環境派)寄りなので、 本気でこの問題に手をつけるようです.アグネス・チャンが大好き な首相ですから、ミュージシャンや歌手などの気持ちがわかっていると思います.

(2007/06/30 追記)
2007年6月29日、本法案は可決されました.
しかしながら、今後どのような運用がされるのかにより状況は変わってきます. ある音楽アーティストのCDをリリースする場合に、テレビ番組の制作費を流用する、 スポンサのCM制作費を流用する、など、一般にタイアップと呼ばれた方法は アメリカではミュージシャンの間では「やってはいけないこと」になっています. 音楽ファンドが一般化されはじめましたが、ファンドは制作費の調達には利用できます が、リリース後のPRの方法の解決策にはなりません. アーティストが自分のリリースしたCDの売り上げを次の制作費にまわすなど、 知的創造サイクルが機能するには、アメリカで一般化している音楽ジャンル(ラジオ)放送 が日本でも可能になり、ミュージシャン自身がどのPRチャネルを利用するかを 自らコントロールできる環境が必要になります. 日本の環境がアメリカに近づけば、アメリカのミュージシャンも日本に来てビジネスが できるようにもなるでしょう.

A13.国際競争力としての日本のコンテンツの輸出産業化の問題点

TOP
2007年9月現在、政府の知的財産戦略本部は、 「知的財産による競争力強化専門調査会」 を新たに設置し、日本のコンテンツ産業を自動車や電気製品などに並ぶ、海外でも通用する 競争力のある産業にしようとしています. しかしながら、音楽や映画 (ここでは著作物に関するものを意味し、放送番組などを含むが、ファッション、食文化、特許製品などは除外する) など日本のコンテンツ産業は、 「日本国内だけで十分収益を上げているので、さらに収益を上げるため、わざわざ海外進出する必要が無い」 と言われています.(2007年現在)

これは、はたして本当でしょうか?

この主張が詭弁である理由を挙げます:
日本で言われている「コンテンツ産業の総収益」の中身は、放送局などの売り上げも含まれています. 放送局の収益は、CMなどの広告宣伝費と電波料という放送時間枠収益です. これは、放送というコンテンツの電送インフラの設備利用の売り上げ収益であり、 著作物としてのコンテンツが消費者に利用された収益(音楽CDや映画のDVDが売れる、など) ではありません.
放送局の収益をコンテンツ産業の総収益に含ませると、広告宣伝費などの収益が含まれて コンテンツ産業の見かけの収益が大きくなってしまいます. これまで、放送番組としてのコンテンツは放送局が出資した制作会社に制作だけ下請け させて著作権は放送局自体か局出資の音楽出版社に持たせていました. 番組制作費はスポンサーが広告宣伝費として負担し、局側から見るとこれは収益にあたる ため、放送局の収益が日本のコンテンツ産業の総収益として計上されてしまっているのです.

この問題のため、アメリカでは
・音楽家自身が音楽CD自体のレーベル会社を作っている
・音楽家や映画俳優は絶対にCMなどの広告宣伝に出演しない.(CMのアーティストは別に職業として存在する.Industrial と呼ばれている)
・コンテンツがパッケージ化(著作物という「物」になっている)しているため、放送形態など伝送方法に規定されず自由に輸出産業化できる.

放送局や広告宣伝会社への官僚天下り問題と密接な関係があるのは、この両者が 日本のコンテンツ産業での著作権者になってしまっているためです. (芸能プロダクションがタレントを給料制にしている.番組制作会社とは「下請け作業」 という労働提供会社である.など)
本当の日本のコンテンツ産業の総収益とは、広告宣伝費などの収益を含めない収益を 意味するのですが、問題となるのは、 広告宣伝費によって制作された放送番組というコンテンツに対して、消費者である はずの視聴者などはお金を払っていません. このためコンテンツ産業の総収益の算出根拠の誤りが出るのです. 音楽家は自分のCDを売って得られた収入や、アニメ制作会社の自社DVD売り上げは、 著作権収入ですから、明らかに日本のコンテンツ産業の総収益に含めることができます. しかしながら放送番組のスポンサが払うお金は、そのお金で映像制作ができたり、音楽CD が出せたりすることは、資金提供している企業側から見ると、「形を変えた寄付金」 と同じ、と見なされます.企業が計上する広告宣伝費は本来は企業PRの 「PR経費」であるべきのはずですが、実体として、その宣伝費で音楽制作の機会を 得られたアーティストなどは、昔からある「寄付金による芸術振興」と同じ形態になります.

ある会社の多くの社員あるいは社長がファンである..などの場合、 そのアーテイストをその会社のCMに起用して会社の宣伝を行う、企業経費とは、 寄付金の形をした社員への福利厚生費とも考えられます.

そのようなことをするのなら、その企業は音楽ファンドとして直接アーティストに資金 提供した方が良く、そのアーティストがリリースする音楽CDの売り上げ自体は、 日本のコンテンツ産業の総収益に含めることができることになります.
(企業がファンドへ出資したお金の金額ではなく、それによって得られた収益の方が コンテンツ産業総収益になります.企業が放送CM経費にしてしまうと、 放送局が著作権を持ち、結果的に放送局が広告宣伝費収益をコンテンツ産業の総収益 にしてしまう所に問題があるのです)

日本企業は、以前(戦後の発展途上の時代)福利厚生費として慰安旅行や 社員のレジャー経費として使用してきましたが、音楽のように人によって 好みや趣向が極端に変わるものを福利厚生費に計上することは極めて問題が多いのです.
むしろ社員の所得としてお金で還元し、その収入を基に各自好みの音楽CDを 購入できるという形態であれば、コンテンツ産業に競争原理が働き、 本来、ある音楽家のCD売り上げはその音楽が好きな人しか購入されないため、 コンテンツ産業の総売り上げの内容がより正確なものになります.

結果的に、日本のコンテンツ産業は「もの作り」として独立した、他の収益産業 と同じ形態になり海外に市場があるのならグローバルな(国際競争力のある) 市場形態になるはずです.

(自治体が行う文化事業が「収益事業」にならないのは、これらが税金でまかなわれた 住民への福利厚生事業であるため.コンサートホール建設なども福利厚生事業である点 が問題.本来コンテンツ産業収益を上げるためのインフラ設備投資であるはず.)

知的財産戦略本部に設置されていた、「コンテンツ専門調査会」が、2007年7月末 で解散されたのも、もともとこの コンテンツ専門調査会の構成員が放送局や広告会社 関係の人が含まれていたためと思われます.

(企業が広告費をかけると企業側に利益が出る、と思わせ、実際は企業が出す広告費 そのものを目当てにしているケースの方が多い.最近は、企業がこの問題に気付きはじめ 広告という外注ではなくPRという自分で広報をする方向に変わっている.
詳しくはPRAP Japan 「PR会社の時代」参照)

A14.国家公務員制度改革法案成立の本当の意味とコンテンツ産業への影響

TOP
2008年6月、渡辺喜美氏が進めていた、国家公務員制度改革法案が国会で成立しました.
今まで各省庁が国家公務員の天下り先などの斡旋をしていたものを、人事権を内閣府に 一元化されるというものですが、天下りそのものの禁止が含まれていないので意味が無い のではないか、という批判があります.
この法案成立のための「もともとの原因は何であったのか」は、当サイトの、このページ に掲載してきたことの流れを具体的かつ正確に分かっている方は、本法案の目的は おわかりになると思います.

一般社会で誰かに人を紹介する場合、信用のおける人から紹介を受けることで、 当事者の調査をしなくてよいなど「担保」のために一般的に行われています.
そのため、人は人脈を大切にしようとします.
国家公務員の天下りで問題になる典型的な場合は、 特定の省庁が認可権を持っている産業分野の一般企業などへ官僚などが再就職する場合の影響を、 国全体として見た場合、複数の省庁にまたがった産業振興が必要な場合など、 再就職先の産業がもともと利権を持っていた省庁配下の産業であるため、 国の産業の構造転換としての新産業分野に全く貢献しない場合です.

この問題は、具体的な例をあげて説明するとよくわかります.

・1990年代、インターネットやパソコンの普及を促進してきたのは経済産業省です.
90年代、携帯電話などが普及しはじめ、音楽の再生などの機能が可能になりはじめた頃、 通信会社などは音楽コンテンツを配信に利用したいと思っていました.
当時、JASRACは文部科学省下の文化庁が唯一指定可能な音楽著作権管理団体で、 JASRACの理事などは文部科学省からの天下りの人間がいました.
一方、配信を行っている通信会社は経済産業省の管轄で、経済産業省からの天下り先は、 通信会社は可能ですが、経済産業省からJASRACへの天下りルートはありません.
当時 JASRACはインターネット配信での音楽利用を許可していませんでした. そのため音楽配信業者はアーティストなど個別に著作権料の決済契約を進め、 配信事業を始めた結果、 2000年以降ブロードバンドとパソコン環境が普及しつくしたことで、 ネット配信でもアーティストに利益が出ることがわかり、 以前は反対していたJASRACが逆にネット配信も推奨するようになりました.

ここで発生した問題は、早い時期に経済産業省からJASRACに人材を流せるルート が可能であれば、もっと早い時期から音楽家は利益をより得られていたこと.
JASRAC以外のネット専門の音楽著作権管理会社が別に出来てしまったため、 本来一元管理すべき音楽著作権管理が煩雑になってしまったこと.
2008年現在、経済産業省は特許のみ、文部科学省は著作権のみ、であるため、 地域活性化のための経済政策を経済産業省が進める場合、 コンテンツ産業の地域推進など「著作権料に基づく収益ビジネスモデル」 の産業展開は経済産業省主導ではできないこと.
さらに、日本はパソコンなどハードウェアのインフラ が普及し尽くしていて、ハードウェア作りの産業は 中国など発展途上国に産業振興の機会を譲るべきであるのに、 地域活性化のために経済産業省は工場誘致などの政策しか行わない(経産省管轄のため)ので、 地域の産業構造転換が進まない、などの問題があります.

産業構造転換(例:JASRACをネット配信推進派に転換させるため)のため、 官僚をもともと所属していた省庁の管轄外の産業への送り込みが、 国家公務員制度改革で可能になるのですが、本制度を適正に運用して 初めて可能になります.

もともと、高い能力が官僚にあるのなら、適正な一般企業に行って、その人の能力 で産業利益を上げてもらった方が、公務員在職のまま税金によって給与を支払われ続ける より、日本の総利益に貢献しますし、公務員減らしによりムダな給与としての税金削減 にもなるはずです.

参考: 「官僚国家の崩壊」中川秀直

| HOME | About | History | Theory | Radio Links | PureSmoothJazz CDs | ContemporaryMusic CDs | Vocal CDs | J-SmoothJazz | Interviews | LiveReport | Order | Links | LinkGuideline | Profile

All trademarks, trade names, pictures, company names and
music / song names in this document are owned by it's respective owners.

このサイトのImage file,Sound/MIDI file,音楽著作物、すべての無断使用を禁止 いたします.
All songs, sound/MIDI files and recorded items are (C)(P)Yoshiki Sakai

Since March 1,2000
Last modified December 9,2010
(C)2000 - 2010 Yoshiki Sakai (Pearl White Music Publishing LLC)