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HOME > ライブレポート > WILLCOM Air-EDGE 車載実験レポート

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WILLCOM Air-EDGE 車載
Smooth Jazz ネットラジオ受信 実証実験(by Webmaster)

WILLCOM Air-EDGE
Date: 2006年4月21日、No.1 (鈴鹿サーキット周辺、走行テスト)
Date: 2006年5月22日、No.2(東名高速 名古屋−東京 走行テスト)
Date: 2008年1月29日、No.3(Advanced W-ZERO3 使用、東名高速 名古屋−東京 走行テスト)

かなり以前から、自動車運転中にSmooth Jazz FMの KKSF や KIFM などが聴けるように ならないかと思っていましたが、今回 WILLCOM Air-EDGE の「8x使い放題」 を短期レンタルし、Air-EDGEインターフェイスをノートパソコンに装着し、 自分の車に搭載して、ネットラジオ受信の実証実験をしました.

Air-EDGE は WILLCOM になる前、KDDI の1990年代後半あたりから、 トヨタの WillCYPHA などに搭載された G-Book のインターネット接続環境 としても利用されてきています.

Air-EDGE (以前の名称は Air-H)は、もう既に車ででも使っている、という方も たくさんいると思います.
今回、実証実験として意味があることは、Air-EDGE としての利用前例はたくさん あっても、 「自動車のような移動体環境から、なおかつ、 ストリーム配信方式のネットラジオである MediaPlayer, RealPlayer 環境で通常のラジオ放送を途切れずに聴くことができるか」、 という点です.(移動中でもブラウザ使用や着メロダウンロード、メール送受信など は、1つ1つ単独の通信しか行われていませんので移動中でもあまり問題なく使えます が、ラジオ放送ストリームの場合は、データのサイズは大きくなくても常に データ転送が行われていますので、移動体通信でも最も難しい技術を必要とします.)

結果は、受信はうまくできました.しかしながら Air-EDGE のアンテナまで の距離が遠くなる(500m以上)地点を通過するあたりで音声が途切れて しまい、MediaPlayer がネット放送のサーバに再接続にかなり時間を要し ました.
ということで、WILLCOM Air-EDGE の車載利用環境は、まだまだ改善の余地あり と思われますが、 問題点がある程度わかっているため、今後どのような改善がなされるか興味の あるところです.

以下、実験環境と手順です.

(下記のアンテナ位置データはWILLCOM サイトの位置確認より.
実験日のデータとして固定する必要がありましたので、
リンクではなく画像を利用させていただきました)

使用した機種:
NEC AX510N
PCは東芝 Dynabook SS3010 (Windows98 SE)
車載でPCにトラブルが起きても困らないよう、 使い古しのノートPCを使用.
SS3010は外部電源15Vで動作するのですが、車のDC12V をSS3010の外部電源として直結使用しても問題なく動作しました. (電源コードは自作品.ただし12Vでは内蔵バッテリが充電されません)
ラジオ受信目的のため、テレビ受信などの場合のように速度の速いPCは必要なし.

走行経路: 鈴鹿サーキット周辺 を一週、約1時間程度.WILLCOM のアンテナ確認ページ にて、アンテナ位置が近くにある地点と、遠い地点になる場所をあらかじめ調べて その場所を走行.
受信した局:SanDiego のSmooth Jazz FM (KIFM)

運転中、PCの操作は一切できませんので走り出す前にあらかじめAir-EDGE接続の後、 KIFMサイトから、LISTEN LIVEにて受信開始.
車のスピーカへのライン入力として、「カセットテープ型のライン入力ツール」 (カセットテープケース内に、テープの代わりに再生ヘッドを入れ、そのヘッドから 外へステレオライン入力の線が出たもので、カセットテープの代わりにこれを セットすると、カセットデッキ経由で外部ライン入力が再生できるもの. かなり昔から普及している)
へ、ノートPCのLine out を接続.

<問題点など>

・走行中、アンテナが遠地点になるとラジオ放送が途切れるが、Air-EDGEの ネット接続状態は保持されている.この状態になると、 Media Player がMedia Server との間で再接続リトライ状態になり、 アンテナが近づくと再開されるが、かなり無音時間が長い.
(これは、Media Player 側のリトライ時間が長いことによる可能性あり)

・市街地でアンテナが近くにたくさんある場所は途切れない. ただし、自動車で長距離走行となると市街地でない場所の方が多いので、今後の改善 が必要.

・ノートPCの自動車内での置き場所は、運転者自身が操作するとなると、 運転席横の助手席シートにしか置けない.
AX-510Nなどはカードとアンテナが一体型のため、車載を考えた場合、やはり アンテナのみ車外に取り付け、LANケーブルを車内に引き込み、PCは通常の LANポートに接続使用する形態の方が、今後実用的と思われる. 現在、そのような製品は市場に出ていない.WILLCOMは、弱電界専用アンテナ をレンタルしているが自動車使用を考慮していない.(AC100のみ、車外設置不可)

・下の参考のリンクにも詳細説明がありますが、アメリカの XMRadio のように、 自動車の場合やはり衛星を使うべきであるが、トンネルの多い日本の場合 衛星が最良の方法とは限らないこと.しかしながら、WILLCOMの場合は、地上の PHSアンテナのインフラをインターネットに流用したもので、 もともとPHSが通常の音声の携帯電話として使われていた時、自動車などで 音声が途切れやすかったことの問題と、Air-EDGE のストリーム使用での 途切れの問題とは同質問題で、今後 WILLCOM がPHSのインフラを 自動車用途に関しても改善していくのか、あるいは、XMRadio のように 衛星に移行していくのか、重要なポイント.

・WILLCOM以外の他の携帯電話会社が提供を始めている「ワンセグ放送」などは、 ここでは一切考えない.なぜなら、自動車でネットラジオを聴く目的は、 そもそも、こちらが自動車運転中に聴くラジオ放送として、 東京などからの日本のラジオ放送ではなくアメリカなどのSmooth Jazz FMの ラジオ放送を聴くという、ラジオ放送番組コンテンツ目的のためです. アメリカのSmooth Jazz FMが聴ける方法が、唯一ネットラジオしか無いため、 Air-EDGE を使用しているのであって、移動体でのネット接続の技術開発は 当該メーカなどの仕事です.
(このレポートは、自動車でネット放送を聴きたい「コンテンツ指向」の人を対象に しています.自動車のネット接続というインフラのためのレポートではありません.)
その点、WILLCOMは最新の携帯電話にも Windows を載せているため、 Media Player などで受信できる放送は全て聴くことができますので とても魅力的です.

・移動体でのネット接続に関して、自動車以外の交通機関(電車、バス、飛行機など) は、その車両自体に別にアンテナが設置され、車内に電波を再送している場合がある. それらの場合、電車などに乗って携帯端末でネット接続が途切れなかったとしても、 車両外部からの本来の電波を受信していないので、移動体通信とは考えられない.
(他の移動体ネット環境との比較には注意が必要.)


<東名高速 名古屋−東京(用賀)間の走行テスト>

上記のテストに続いて2006年5月22日に、東名高速を名古屋から東京(用賀) まで走行し、同じく KIFM などのストリーミングがどのような状況で受信されるか 実験してみました. 今回は、KIFMだけでなく、サンフランシスコのKKSF, シカゴの WNUA, マイアミの Love94 をそれぞれ受信してみましたが、 東名高速で時速100Kmでの走行でも、WillCom のアンテナが比較的近くにある 場合は、それらのFM局に関わらず、比較的安定して受信はできました.
WillComのアンテナ確認ツールで、東名高速道のアンテナ位置を調べてみますと、 サービスエリアには必ずアンテナ設置があるようですが、名古屋−豊橋−浜松 あたりまではアンテナ設置数が多いですが、静岡県中部へ入るとアンテナ設置数 が減り、全く放送が途絶えてしまう場所が多くなります. 静岡から神奈川県に入ると関東エリアに近づき、再びアンテナ数が増えるため 愛知県内同様、比較的安定に受信ができるようになりました.

やはり、WillCom のネットワークは衛星方式ではないので、単純に、アンテナが どれだけ近くにあるかによって受信状況が左右され、移動に伴って通信経路の アンテナ位置が切り替わることによってラジオ受信が途切れることはないようです. 自動車の走行速度が100Kmと一般道より速いことには、直接関係はない ことがわかりました.これはWillCom の通信カードが8x(複数の周波数 を同時に使う、周波数ダイバシティーで、アンテナ切り替え時に同時に複数ケ所の アンテナ位置と通信させているため)のため、ネットワーク接続でのアンテナ切り替え が、ラジオ受信に使用している Media Playerのようなアプリケーションのレベル で、アンテナ切り替わりが見えないように制御されているためです.
受信が途切れるのは、単純にアンテナまでの距離が遠くなった位置へ移動 しているためです.
その場合、Media Player がラジオ放送ストリーミング Media Server との間で 応答が無いサスペンド状態になり、リトライにかなり時間を要してしまうためで、 WillCom の通信自体は接続されていても、一度アンテナが遠距離になり 放送が途切れると、Media Player の方の再接続に時間がかかることが問題のようです.
Media Player は、Real Player に比べて比較的新しく、インターネットの ブロードバンド化が進んでから普及しましたが、Real Player の方は 90年代のダイアルアップの時代からストリーミングに使用されていたため、 不安定な低速のネットワーク環境にも対応できていて、現在の WillCom の移動体 無線ネットワークのような環境でもMedia Player より途切れる確率は低い可能性 はありますが、現在ネットラジオが有線ブロードバンドを想定した Media Player のラジオ局の方が多くなってしまったので、 Real Player での受信状況テストはできません.
しかしながら、総合判断として、WillCom による車載ラジオ受信は利用価値ありと思います.
(通信経費が今後どの程度安くなるかです.現状の費用ですと、個人ユーザには 負担が大きいので普及しにくいですが、WillComの携帯電話で Windows 搭載のもの のみ携帯電話として個人所有していれば、車載としても使用できますが、 2006年現在 4xのみ)

<なぜ自動車運転中まで、わざわざアメリカのSmooth Jazz FM を聴く必要があるのか..>

・Smooth Jazz FMを直接聴く目的は情報収集であり、音楽そのものを車で聴いて 楽しむだけならCDやiPodを持ち込んで聴けばよい.
自動車を運転しながらできる「ながら」は、ラジオを聴くことぐらいである. 従って運転している時間(拘束時間)は、情報収集のために有効活用できる時間である.

・アメリカなどの音楽情報は、日本のラジオ局や衛星ラジオ放送などからも 聴くことはできるが、日本の企業などの仲介者を経由したものは情報にバイアス がかかっていることが多い.
系列企業が日本でリリースしている音楽家の情報のみ流していることがほとんどであり、 アメリカ本国では、あるいは世界全体では、という客観的な情報収集のためには、 仲介者が介入している放送は聴くべきでないこと.

・日本の携帯電話会社や衛星放送などは、収益モデルが「通信料による収益」 が目的であり、契約者を増すためにコンテンツ配信を利用している場合が多い.
従って、通常のWindows Mediia Player など、一般のインターネット上で 誰でも聴いたりできるコンテンツが、NTT, KDDI などの携帯電話機器(2006年6月現在) では扱うことができないため、Windows OS と定額通信サービスを提供している WillCom しか選択肢が無いこと.
(Windows PCとして使えないカーナビ機器に30万円かけるのなら、 安価なモバイルPC+WillCom 8x使い放題の5年分程度の金額とほぼ同じであるので、 30万円余分な予算があるのならWillComを搭載した方がよい)

・企業活動などグローバル化が進み、情報収集のために聴く必要がある放送は 日本や地域が放送しているものとは限らなくなってきたこと.


<WILLCOM Advanced W-ZERO3 使用、東名高速 名古屋−東京(用賀)間の走行テスト> (2008/02/02)

筆者は、WILLCOM の W-ZERO3 を発売当時から使用してきましたが、初期のW-ZERO3 の OSバージョンが Windows Mobile 5 で、インストールされている Flash Player が Version 6 のため、KIFM, KTWV などのネット配信が動作しませんでした. これは、2008年現在、KIFM, KTWV の配信はFlash 7 対応のためです.
2007年後期に発売を開始した Advanced W-ZERO3は、Windows Mobile 6 で、 Opera と Flash Player 7 が標準でインストールされています.
早々機種交換して、KIFM, KTWV のPC向けネット配信の動作確認をしましたが、全く問題 無く聴くことができるようになりました.それで、自動車の運転中の動作確認をしました.

経路は上の記事と同じく、東名高速を名古屋から東京向け走行です.
受信状況はPCカード使用の場合とほぼ同じで、受信が途切れるのはアンテナへの距離 が遠くなった場所のみです.通信速度がPCカードの8X から4X になっていますが、 ラジオの配信の場合64Kbps あれば十分で、8X と 4X の違いは全くありません.
アンテナまでの距離さえ確保できている範囲であれば、車の走行速度による受信状況 の違いは全くありません. 一番の問題は、通信が途切れている時間がある程度長くなってしまうと、 次のアンテナ圏内に入ったとしても、配信のラジオパネルから、[>]のPlay ボタン をもう一度タップしないと再スタートしない場合があることです.
この場合運転しながらの操作は危険で、サービスエリアなどに入って操作しなければ ならないことです.やはり車での操作は片手によるタッチパネルのような方法 が必要になります.

KIFM, KTWV ともに再生可能でしたが KIFM は全く途切れませんが、KTWV の方(CBS Radio) は、移動中でなくとも動作がまだ不安定です.(KIFMなど liquidcompass.net の配信は安定しています)

W-SIM 対応のPCカードも発売されますので、車載の場合は小型のノートPCを車にセット しておいて、車に乗る時に SIM を携帯からPCカードに入れ換えることもできます. しかしながら、Advanced W-ZERO3 が電話機として動作しなくなりますので、運転中に ハンズフリーなどで電話を使いながら、電話を使っていない間はネット配信を聴くことは PCカードを使うと出来なくなりますので、SMIの差し替えという方法もあまり効率的な 方法とは言えないと思われます.

参考:
NEC中央研究所「高速移動中の乗り物からのブロードバンド接続の実証実験」

慶応大学環境情報学部「インターネット自動車のためのセンサーノードの設計と実装」
(筆者注:センサーノードは、自動車の状態を無線ネットワークで外部へ送信するための 実装方法ですが、別用途として、市街地などを走るバスやタクシーあるいは、 一定の場所を常に走っている宅配のトラックなどに、ネットワーク中継用のルータ を搭載して移動体ネットワーク中継車として利用すると、WILLCOMのような 形態でも利用範囲が広がる可能性があります.アンテナは、ビルや電柱などに 設置する必要はありません)


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